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揺れる心
第8章 突然のさよなら
その日のうちに、陸也さんと一緒に実家に行って、
「ちょっとインドに行ってきます」と言った。

母は大笑いして、
「やっと、外に出る元気が戻ってきたのね?」と言ったけど、
父は心配そうな顔をしていた。


「大切なお嬢様ですので、
危険なことがないように気を配ります」
と陸也さんが言うのを聞いて、

「いや、君が危険なんじゃないのかな?」と、
珍しく父が牽制するようなことを口にした。


「あんなことをした僕を信用していただけないのは重々承知しておりますが、
真理子さんのこと、大切に想ってますので、
絶対にお守りします」と頭を下げてくれる。


「良いじゃない?
部屋に引き篭もっていて、
生きてるかどうかも判らないくらい儚くなってた真理ちゃんを、
外の世界に連れて行ってくれるんだから!」と母に言われて、

「そうか。
では、くれぐれもうちの姫様を宜しく」と父が頭を下げて言った。



お祖父様の処に行ったのは、
実に4ヶ月ぶりだった。

ドアを開けてくれたお手伝いさんのカヨさんは、
涙を流して出迎えてくれる。

客間に通されると、
「なんだ。
陸也も一緒なのか?
いつ、帰国したんだ?」とお父様がゆったりした声で言って、

「真理子さん、久し振りだね?
少し、落ち着いたかな?」とお祖父様が言いながら抱き締めてくれた。


「電話で聞いて、居ても立っても居られなかったから、
すぐに飛行機手配して昨日帰国しました。
その足で真理子さんの処に行きました」と陸也さんが言った。

「そうか…」

「あの…それで、
突然なんですけど、
私、陸也さんとインドに行ってみることにしました」

「えっ?」

「日本に居ると、何処にいても海斗さんと赤ちゃんのことばかり考えてしまって…。
前に進めなくて。
リセットしたいけど、どうして良いのか判らないんです。
だから、何にもない処だっていう場所に行って、
暫く星を見て過ごしてきます」

「それは良いけど…ご両親には?」

「先程、話をして来ました」

「あのさ。
陸也とは…?」

「ああ…何もないよ。
勿論、僕は真理子さんのこと、好きだけど、
今はただ、海斗のことで心が一杯の真理子さんの心を綺麗な星や澄んだ空気で満たしてあげたいだけ。
それくらいしか出来ないから」

陸也さんはそう言って微笑んだ。
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