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狂うほどに愛されて
第3章 屯所での生活
目隠しをされて数時間経つが
人の気配が一切感じられなかった。
琴葉がいる部屋は奥の方にある為
誰も通らないと聴いたが落ち着かない。

「琴葉、入ってもいいか?土方さんが
君を呼んでる。一緒に来てくれ」

「・・はい」

原田に手を握られ、部屋を出たが
足取りは重く不安な気持ちが
心の中に広がっていた。

「土方さん、琴葉を連れて来ました」

「入れ」

部屋中に入ると、目隠しは外され原田も
部屋を出た。
土方が前を向き距離を詰めようとするが
琴葉は後ずさる。襖に近づくと腕を
掴まれ抱き寄せられる。

「俺から逃げられると思うな、琴葉。
もしここから出れば蜜屋がどうなるか
分かるな」

「土方、さん」

「名前で呼べ、俺の名を呼べる女はお前
だけだ」

「・・歳三さん」

土方は琴葉に口付けをし、首筋や腕などに
赤い痕を付けていく。

「絶対に逃がさねぇよ、何があっても」

土方の目を見た琴葉はもうここから逃げる
ことは出来ないのだと悟った。
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