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第1章 出会い

「ふーぅ、綺麗になったー」

鈴宮琴葉(13)は今年の4月から舞子として
この蜜屋で働いている。朝の6時から起床し
朝食を食べた後、屋敷の掃除を一人で
している。蜜屋は一階に置屋、二階に遊郭が
あり琴葉は置屋に属している。

「琴葉、掃除は終わったかい？」

「はい、女将さん。着替えて稽古場に
向かいます」

「そうだ琴葉、稽古に行く前にこれを
届けてちょうだい」

女将は菫色(すみれいろ)の風呂敷を渡す。
中には常連客の服が入っている為丁寧に
扱うように言われ、琴葉は紙に書かれた
地図を頼りに目的地へ向かった。