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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第7章 【譲れないもの】
「ちゃんとノミネートされてるじゃん」
始まったマンガ大賞。
多くのTL漫画家が魂を込めた渾身の一作を選出して大賞を目指している。
期日までには完結させて選考委員による審査と読者投票で決まる。
最近ではTL部門もかなりの人気を博していて注目が集まっているだけに選考もかなり厳しく、読者の目も肥えている傾向だ。
その中で最も支持を集めた10作品の中に〈錆と鎖〉がノミネートされている。
完結させるまでもう時間がない。
何度も構想を練り直したが、やっぱり最初に決めていたラストシーンになりそう。
コレが今の私の最大限なのだ。
「また寝てないんだろう?少しは休め、俺の居る間だけでも」
珍しく担当者らしいお言葉。
時折様子を見に来ては無理やりにでもこうして休ませる。
アシスタントの2人も残業をお願いして毎日倒れるように意識を手放し眠りについていた。
初めてエナジードリンクを体内に入れたかも知れない。
意識が朦朧とした中で無意識にタブレットを触ろうとしたら取り上げられてしまう。
「だーから、寝ろって、今のお前に必要なのは睡眠だ、ほら一緒に寝てやるから」
そう言って同じベットに入り、私が眠るまで腕枕をし手を握ってくれている。
「………シないの?」
こんな状態だと逆に寝れないんだけどね。
鍵山さんはそんな相手じゃない。
「シたいの?」
「ん……どっちでも良い」
「なら、寝とけ……俺は無理をさせる為に抱くんじゃない、それくらい我慢は出来るよ」
「キスも…?我慢?」
腕枕越しに見上げると葛藤してる顔があった。
「…っクソ、今日は担当者で居るはずなのに」
「鍵山さんだってシたいでしょ?」
「あぁ〜ごめん、ちょっとだけ担当者じゃなくなるな?」と言い訳して唇を重ねてきた。
優しく舌でこじ開けられ絡み合う。
脳が悦んでいる。
こうして誰かの体液を蝕んでないと保てなくなっちゃうなんて。
グイッと押し倒して上に乗った。
「足りない……こんなんじゃ」
「お前……っ」
オマンコにオチンチン擦り付けたはずなのにそこでブチッと切れた記憶。
どうやら押し倒した瞬間、電池が切れたようにドサッとのし掛かり眠ってしまったようだ。