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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第3章 【秘密の伏線】







2人目のアシスタント、須藤 蓮くん。
此処に通い始めてもうすぐ1年かな。
こちらにも「嫁においで」と口説いているが音沙汰無し。
有名作家さんのアシスタントも経験があり業界じゃ引っ張りだこらしいけど。




たまたま出した求人募集を見てくれていてタカラアキだとは知らずに応募してくれたみたいで面接の時に初めて会ったの。
実際液タブに背景描かせてその場で採用した。




履歴書の字が男の子なのに丸字なのも気に入った。
達筆過ぎる自分とは真逆で、私には見えない、見えていない世界観を持っている気がしたから。
まるで描き写したかのような背景のトーンだった。




見た目は本当にK-popアイドルのような顔立ちでアニメオタク。




「でも私、ジャンルは18禁だよ?TLだけど大丈夫?」




「タカラアキ先生の描く絵は好きです、僕の手が加えられるなんて夢のようです」




「じゃ、明日から来て」




「え、採用ですか?やった、ハイ!」




面接時間、5分で終わり。
いや、面接なんて意味なかったわ。
見た瞬間この子要る!って思った。
指も綺麗。
この手描きたい……欲しい。




仕事は超真面目。
一寸の狂いもなし。
要望も完璧に再現してくれるし、適当なニュアンス伝えても期待以上の結果を出してくれる。
もう手放せない。
仕事が出来る男は大好きよ。




前に居た作家さんの方が採用条件が良かったと後から人伝に聞いた。
それでもうちに来てくれたのは単純にタカラアキの作品に携わりたかったからだと本人は言ってたけど。
やっと軌道にも乗ってきたし今じゃそれ以上のお金出して雇ってますよ。
逃したくはないんでね。




性格もウブなんだ〜この見た目で嘘だろって思うけど少しからかっただけで耳まで真っ赤になって俯いちゃう。
「オタクなんで」と謙遜するけど絶対モテてるはず。




ウブなくせにね、お昼寝していた私にキスしようとしてきたり?
今まで散々からかってきた甲斐があったよ。
平然なフリして本当は意識してたんじゃん。




「ねぇ、此処に来る前にアシスタントしてたところ全部さぁ、半年ほどで辞めてたって本当?転々としてたの?」










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