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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第4章 【本音と建前】
寝ても覚めても毎日、TL漫画を描いていると数年に一度アレが訪れる。
「え………何これ………頭イッタ……」
謎の頭痛、倦怠感、風邪をバカみたいにひく。
「普段から薄着だからですよ」って蓮くんには怒られて、
千景ちゃんには「生姜たっぷりです」と噎せ返るほどの生姜湯を口に入れられる。
熱は出ないけど風邪っぽい症状。
「スケジュール調整しといた」
「ありがとうございます……鍵山さん」
大人しくマスクしてベットに横たわる私の髪を撫でる仕草。
アシスタントと交代でお見舞いに来てくれたみたい。
2人にも連休を与えた。
「無理するなよ、俺を頼ってくれて良いから」
「すみません……2日で治しますから」
え……テーブルにパソコン広げちゃって、まさか此処で仕事するつもりですか?
「俺も半休もらったから」ってそれ全然半休じゃないじゃないですか、
休めてないもん。
「いつまで居てくれるんですか…?」
考えるより先に口に出てしまう私の悪い癖。
パソコンから目をこちらに向けてクスっと笑われる。
「弱ってるタカラアキって凄いレアじゃん?だから俺の気が済むまで居させてよ、泊まってって良いだろ?」
「レアって………人が苦しんでるの見て嘲笑うタイプですね、鍵山さんは」
「襲わないから安心して寝てろ、俺も丁度仕事が片付いて一石二鳥だわ」
「今襲ってきたら人間性疑いますよ」
「アハハ!自信ないけどな」
「最低…」
「それだけ受け答え出来りゃ重症ってほどではねぇな?安心したよ」
これ以上言い合っても埒が明かないので諦めて寝る事にした。
カチャカチャ…と規則正しいタイピング音を聴いているとスーッと眠りに落ちた。
そしてどうやら汗を掻いてうなされていたらしい。
そういえば奥歯が痛いかも。
噛み締めていたのだろう。
今、起こされて着替えさせられている。
バンザイして風に当たると下着もうっすら濡れている事に気付いた。
クローゼットの中の引き出しに並べてある下着を指差した。
「全部、着替える」