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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第4章 【本音と建前】
24歳そこらの若い子の嫉妬なんて可愛いじゃない。
妬いてもらえるうちが華……なんて思っていたけどこの後の蓮くんによる反撃が作品史上最高の出来栄えになるなんてこの時の私には想像すら出来なかった。
今日の作業を終えてハグして帰した後。
思った以上に捗り少しお酒でも飲もうとグラスにウィスキー入れて口につけた瞬間。
再びドアが解錠する音がして廊下を覗いたら戻って来たのは蓮くんだった。
「ん?また手帳でも忘れた?」
わずか数分前に別れたはずなのに。
リュック背負ったまま鍵閉めて私の元へズカズカと脚を進めてきた。
グラスを持った手はすぐに察知してカウンターに置いたけどやっぱり予想は当たっていて、壁に押し倒されるほど強く唇を奪ってきた。
ゴホッゴホッと噎せるので
「あ…ごめん、ウィスキー飲んだ」と告げても熱っぽい視線は収まらず余計に激しく舌を絡ませてくる。
お酒弱いのに……
来るって知ってたら飲まなかったのに……
今日の蓮くん凄い雄だね。
発情してる。
長い長いキスの後。
ようやく我に返った蓮くんは。
「あ……急にすみません」
オロオロしだして何だか可愛い。
今日描かせたシーンにムラムラしたの?
それとも媚薬でも飲んだ?
なんてね、わかってる。
蓮くんが言いたいのはそんな事じゃないよね。
「別に良いけど……もしかして気になって何も手につかない状態?」
カマかけたつもりだけど図星だったみたい。
作業中もそれ気付いてたから。
思い過ごしかなって考えたりもしたけど章介の事が気になって仕方ないみたいね。
「僕の気持ち…わかってるくせに」
キャップ帽はさっきのキスで取れちゃったからサラサラの前髪と片方1つずつのピアスがよく見える。
パーカーにジーンズ、リュックはいつものコーデだ。
そのままギュッと身体寄せてきて私を見下ろす。
「ちゃんと言葉で言わなきゃ伝わらない事も多いよ?男女間は特に……さぁ、本音言ってみて?全部受け止めるから」
目がクリクリしてて鼻筋も通ってる。
今日は偽物眼鏡してないんだな。
やっぱりキミは整った顔してる。
もっと全面に出せばモテるだろうに。
いや、隠れてモテてるのかも。
ちょっと不器用なだけでチャンス逃してるぞ…?