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凌辱のストーリー~雌犬に堕ちていく「涼子様」
第4章 市民の会
「では満場一致の結果、白井涼子さんを副会長に任命いたします。」

四十半ばのめがねをかけた女性が、濃い目に塗った唇を大きく開けて宣言されたのを合図に全員が一斉に拍手した。

「賛成っ。」
「意義なしっ。」

市民プラザ会館の教室を借りて開かれた「市民の会」の会合は、気品ある笑顔で何度もおじぎする涼子の人事決議で幕を下ろした。

「うっ・・・。」

涼子はまだ新しい会館の玄関を出たとたん、初夏の日差しに小さく声をあげた。

それは半分の満足感と、半分の重い憂鬱を涼子に浴びせていたのだった。

前回、山岡啓造と渡り合い福祉施設の法人権利を獲得した功績をたたえた人事であったが嬉しい半面、増大する責任に押しつぶされる気がするのだった。

「おめでとうございますぅ・・・。」

弾けるような声が、涼子の半分の憂鬱を振り払った。

「ご、ごめんなさい、涼子様ぁ・・・。 ゼミが伸びちゃってぇ・・・。」

プラザ会館からの坂道を半分程降りた所で、天使が追いついた。

サラサラの髪から、何とも言えない香りがした。

さっきまで部屋中に充満していた、年配の女性達特有の重い香りではない。

初夏の風に乗せた若さに溢れた、爽やかな香りであった。

汗の匂いさえも、切なく感じる。

涼子は理恵の全てが好きであった。

「メール・・・入ってましたぁ?」

大きな瞳がイタズラっぽく覗き込む。

小さな顔に、零れ落ちそうについている。

「フフフッ・・・。」

涼子は答える代わりに、極上の笑顔を見せた。

理恵の顔も嬉しさが弾けている。

何十通目かの理恵のメール、遅刻を詫びるかわいい文章と共に理恵のオドケタ写真が添付されていた。

いつからだろうか。

この少女に惹かれだしたのは。

花畑が続く広い歩道を二人で歩きながら、涼子は初めて会った時の大きなメガネの少女を思い出そうとしていた。

『初めまして、立花理恵と申します。』

三ヶ月前に「市民の会」の会合に参加した理恵の最初の挨拶は、若さに似合わず消え入りそうな細い声であった。

年配のやる気満々の女性達の中で、あまりにも頼りなげに見えた。

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