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凌辱のストーリー~雌犬に堕ちていく「涼子様」
第4章 市民の会
そこには「今時のと」オバ様達が軽蔑しそうな服装、振る舞いはなかった。

大きな瞳を黒縁のメガネで覆い、よく見ると艶やかな黒髪ではあったが三つ網に束ね、野暮ったいジーンズとシャツに身を包んだ少女はそれでも、次第に涼子の心に忍び込んでいった。

(そう言えば・・・。)

涼子は更に記憶をたどる。

いつ頃から、理恵はコンタクトレンズに変えたのだろう。

初めてその澄んだ瞳で見つめられた時、涼子の心に染み渡る感触だけは今でも覚えている。

『キレイ・・・。』

思わず口をついて出た言葉に、頬を染めてはにかむ理恵に、何かしら熱い感情が湧き上がってくるのだった。

そう、あれは会合の後二人で食事した日だ。

食後のコーヒーを飲んだ後も続けられる楽しい会話に、時を忘れていた。

涼子の時々のアドバイスに素直に、そして嬉しそうに髪型や服装を変えていく理恵は、まさしくサナギから蝶になったのだ。

今は見つめているだけで、溜息を誘う程の美しい少女になっている。

そして少女は、外見だけでなく心も申し分の無い美しさを持っていた事を、涼子は何よりも嬉しく思うのである。

今年で十九歳になる県内の国立大学に通う理恵は、素直で正義感の強い性格を持っていた。

雨の日の駅でのビラ配りも、面倒な集会の議事録の整理も黙々とこなした。

最初はいつまで続くかと訝っていたオバ様達も次第にこの少女を、たしかに彼女等の中にいるとハッキリそう見えるのだが、好きになり頼りに思うようになるのだった。

それだからこそ、会の仲間内で「涼子様」とあだ名される白井涼子にとっても、生涯の中で初めて妹のように愛すべき天使であると、胸が熱くなる程に意識するようになったのは当然の事だと今は思っている。

特にあの日、メガネをコンタクトに変えて、そのレンズの向こうに隠していた大きな瞳で見つめられるようになってからは時折ではなく、涼子の心臓の鼓動を早くする事はしばしばであった。

いつしか涼子の心に波紋を投げかけ、次第に広がっていくのだった。

(そう、あの日からだわ・・・。)

コーヒーの味が、いつもとは違うと感じる程の衝撃であった。

奇妙な切ない感情が、込上げてくる。

飲む程に身体が熱くなるのを感じた。
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