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凌辱のストーリー~雌犬に堕ちていく「涼子様」
第1章 逆光(第一部)
その様を吐きそうな嫌悪感と共に眺め、そして命令されるがまま田代も人を傷つけてきた。

勿論、見返りはある。

それは、シビレルような快感を伴っていた。

まるで頬にナイフを当てられているかの如く、ビリビリと奇妙に心に迫るのだ。

一度、魂を悪魔に売ってしまえば悪事ほど楽しい事は無い。

特に啓造の罠は巧妙を極め、必ずといっていいほど成功するのだった。

所詮は啓造の駒に過ぎない自分ではあるが、その成功が錯覚させる程の興奮を覚える。

いつかは啓造を出し抜いてみたかった田代ではあるが、切ない快感の地獄から逃れる気力など無い事も自覚していた。

だから、せめてミラー越しに「ご主人様」に憎しみの念波を送るのが、精一杯の抵抗なのだった。

「フンッ・・・。」

啓造はそんな田代の小ざかしい思いなど見通しているかのように、鼻を鳴らした。

田代のような小物はいつでも切る事が出来る。

だが、啓造は放さない。
巧みに男を操っていく。

そして、結局は自分が誰であるか分からせるのだ。

そう、啓造を「ご主人様」と仰ぐ犬として。

田代は、啓造の策略のためなら何でもする奴隷になっている。

事実、何度か命を落す位の事はザラにあったのだ。

だが、その後で貰える「ご褒美」に男は逃れる事は出来ないのだ。

今朝も忠実に啓造の家の前で待っていた。

これからも、ずっとコイツは犬として俺に仕えるだろう。

漠然とした自信と安心感が啓造にはあった。

「止めろっ。」

突然の命令に、田代の踏むブレーキが悲鳴を上げた。

ミラー越しに見た啓造の視線が、窓の外を向いている事に気付いて田代も後を追った。

丁度、真東になるのか眩しい朝陽が真横から突き刺してくる。

ようやく目が慣れたのは数秒後なのだが、やけに長く感じた。

それは、次に感じた驚きの大きさのせいかも知れなかった。

「・・ぅ・・・。」

声に、ならなかった。
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