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VRの罠(汚された愛と勇気の戦士達)
第20章 妖しい光
「あ・・・い・・・・・。」

遠くで声がする。

「あ・・・い・・・ちゃん・・・・あ・・い・・・・・。」

懐かしい声だ。

「愛ちゃん・・・・・。」

目を開けると、優しい眼差しが見つめていた。

「愛ちゃん・・・・。」

徹が微笑んでいた。

「よく・・・眠っていたね。待ち合わせ時間より、随分早く、来ていたんだね。」

キリッとしまった眉、涼しげな瞳、真っ直ぐに通った鼻、そして形のいい唇。

「とお・・る・・・君?」

愛は喜びが湧き上がるのを感じた。

遠く離れていた恋人が帰ってきたような気がしたのだ。

「徹君っ・・・・。」

愛は身体をぶつけるようして、徹の胸に飛び込んだ。

「あ、愛ちゃん・・・。」

徹は顔を真っ赤にして戸惑いの声を出した。

二人が座る公園のベンチの周りを見回した後、おずおずと細い肩を抱き寄せた。

「愛ちゃん・・・・・。」

そして抱いた腕に力をこめるのだった。
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