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VRの罠(汚された愛と勇気の戦士達)
第4章 罠
「ヤッー・・・。」

白いマントを翻し颯爽と表れた男、は目にも止まらぬ速さで金色に輝く手裏剣を投げつけた。

「アウッ・・・・。」

コオロギの手をかすめた手裏剣が、愛を縛っているロープを切断した。

「ああっ・・・・・。」

愛は自由になった両手でコオロギを突き飛ばすと、徹の元に駆け寄った。

「アポロン様ぁ・・・・。」

「大丈夫か、レッド・エンジェル・・・・。」

アニメそのものの展開で、二人はひしと抱き合った。

「さっ・・・早く。」

男が促すと、愛はコクリと頷きルビーが輝くティアラに両手をかざした。

赤い宝石が金色に輝いていく。

「エンジェル・ビーム・・・・スペシャル・・・。」

閃光が部屋を充満し、町田達の目を潰した。

「ウギャー・・・。」

淫魔のみにダメージを与える攻撃は、ミホやユカを弄ぶ男達全員を吹き飛ばした。

このアイテムを使うには、救世主アポロンの力が必要だったのだ。

愛を見守る徹の眼差しから、強いパワーが送られてくるのを感じた。

(す、凄い・・・・ああ・・・やっとビューティー・エンジェルの展開に戻ったわ・・・。)

愛は嬉しそうに笑みをこぼすと、マントをまとう凛々しい男に抱きついた。

「救世主アポロン様ぁ・・・・・。」

(良かった・・・・本当に・・・・良かった・・・・。)

涙が滲んでいる。

すんでの所でコオロギに唇を奪われる所だったのだ。

(誰があんな奴に・・・私は徹君・・・救世主アポロン様だけのものよ・・・。)

「愛ちゃん・・・・ビューティー・エンジェル・・・。」

涼しげな瞳で見つめる男の胸に愛は顔を摺り寄せた。

「大好き・・・・徹君・・・・アポロン様ぁ・・・・・。」
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