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VRの罠(汚された愛と勇気の戦士達)
第2章 大型トレーラー
「じゃあねー・・・・愛・・・。」

「うん、又電話するねぇ・・・・。」

家が逆方向の愛は、二人と分かれ歩きだした。

徹との待ち合わせ時間まで随分あったが、家に帰るのも億劫で公園に足を運んだ。

緑溢れる広い公園だし、恋人を待つという時間が愛は何よりも好きだった。

大好きな徹を救世主アポロンに変えて、空想の中でデートを楽しんでいた。

木陰のベンチに座りながらボンヤリ眺めていると、公園内の道路に大きなトレーラーを見つけた。

ふと興味がわいて目をこらすと、コンテナの壁一杯にビューティー・エンジェルの絵が描かれていた。

「あっ・・・ビューティー・エンジェルだ・・・。」

目を輝かせて近くに寄ってみると、後の扉が開いていた。

コンピューターのような複雑な機材が、所狭しと置かれている。

「へー・・・何だろう?」

興味津々で覗いていると、低い声が背後から聞こえた。

「何か御用ですか、お嬢さん?」

「わっわっ・・・・あああ・・・い、いえ・・・何でもないですぅ・・・。」

驚きと戸惑いで、しどろもどろに答えている。

「はっはっは・・・いや、おどろかせて申し訳ない・・・・。」

白髪頭の男は人懐こい笑顔で優しく言った。

白衣を着て何かの技術者のように見える。

「ビューティー・エンジェルに興味がおありですか?」

「ええ・・・大ファンなんです。」

愛が目を輝かせていった。

「それは嬉しいですね。実は今、ヴァーチャルゲームの実験中なんですよ。」

「ヴァーチャル・・・・ゲーム?」

「コンピューターが作る仮想世界、ビューティー・エンジェルの物語の中に入って、悪と戦うというシュミレーションゲームなんですよ。」
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