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あなたが消えない
第2章 永遠の仲
「何かお困りになるようなら、何でも訪ねて下さい。旦那さん、お仕事お忙しいみたいだから。僕なら、夜も居ますし、昼間はこうやって自宅に戻って来ますから。有限会社なもので、暇なんですよ」

完全に、あの時の会話を私は聞かれていた。

握られた手は今だ握られたまま。

私はもう返す言葉も見当たらなくて、戸惑いながらも息が詰まりそうだった。

「それは、どうも…」

「じゃあ、そろそろ会社に戻ります。何なら
、しけたスーパーまで車で送りますよ」

「いえ、あの…私は…」

「遠慮なさらないで下さい。丁度僕もいっぷくして会社にまた戻るとこなんで。これ会社の車で少し狭いですけど」

怖いくらい、感じの悪いくらい、凄く親切で。

冷たいくらい、痛いくらい、丁寧で優しい口調。

一体、なんなの?

この永津という男は。
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