この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あなたが消えない
第17章 震える心
全然楽しくない。
仕事に行っては、疲れて帰って来て。
夕飯を作っては、一人で食べて先に眠って。
だからって、別に和男と食事を一緒に食べたいとも、寝たいとも思わない。
和男に対しては、正直もう勝手にしてって感じがしてる。
朝になれば、また同じ事の繰り返し。
最初は慣れない仕事先の作業で、頭がいっぱいで翔の事も、後回しに出来て落ち着いていたけど。
仕事先の独身の女の子に、時々翔の話を生々しく語り、彼女が仕上げていく恋愛小説を読みながら感じていく。
翔への愛が、消えかける心の灯火に、また炎が足されるように赤く燃え始める。
「居なくなったからって、無理して忘れなくてもいいんじゃない?自分の、これだけは貫けれるっていう自信があるものとして持っていれば。それは彼への永遠の愛ってやつで」
その女の子に、励まされる。
時々、小説を読みながら涙するの。
そうだね、呆っぽい私が唯一貫けるのは、翔への愛だから。
「これ、続きが気になる」
私は涙を拭いながら、少しずつ書き綴られていく私と翔がモデルの恋愛小説を手渡す。
「愛は一気に加速して、もう誰にも止められない、誰にも邪魔はできないよ。私は、奥さんとは別れてもらうつもりでいる。いや、絶対別れさせる。子どもが居ても、絶対に」
「そんな事したら奥さんが、気の毒よ」
私は笑う。
でも私も確かにあの時、翔に伝えた言葉だった。
…奥さんと別れて欲しい…
って。
でも翔はキッパリと、真っ直ぐに前だけ見つめて言った。
…妻とは別れない…すまない…
どうして、謝るの?って、思った。
謝るから、自分が虚しくなった。
仕事に行っては、疲れて帰って来て。
夕飯を作っては、一人で食べて先に眠って。
だからって、別に和男と食事を一緒に食べたいとも、寝たいとも思わない。
和男に対しては、正直もう勝手にしてって感じがしてる。
朝になれば、また同じ事の繰り返し。
最初は慣れない仕事先の作業で、頭がいっぱいで翔の事も、後回しに出来て落ち着いていたけど。
仕事先の独身の女の子に、時々翔の話を生々しく語り、彼女が仕上げていく恋愛小説を読みながら感じていく。
翔への愛が、消えかける心の灯火に、また炎が足されるように赤く燃え始める。
「居なくなったからって、無理して忘れなくてもいいんじゃない?自分の、これだけは貫けれるっていう自信があるものとして持っていれば。それは彼への永遠の愛ってやつで」
その女の子に、励まされる。
時々、小説を読みながら涙するの。
そうだね、呆っぽい私が唯一貫けるのは、翔への愛だから。
「これ、続きが気になる」
私は涙を拭いながら、少しずつ書き綴られていく私と翔がモデルの恋愛小説を手渡す。
「愛は一気に加速して、もう誰にも止められない、誰にも邪魔はできないよ。私は、奥さんとは別れてもらうつもりでいる。いや、絶対別れさせる。子どもが居ても、絶対に」
「そんな事したら奥さんが、気の毒よ」
私は笑う。
でも私も確かにあの時、翔に伝えた言葉だった。
…奥さんと別れて欲しい…
って。
でも翔はキッパリと、真っ直ぐに前だけ見つめて言った。
…妻とは別れない…すまない…
どうして、謝るの?って、思った。
謝るから、自分が虚しくなった。