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あなたが消えない
第4章 キスマーク
「試しに叫んでみます?」

その言葉と同時に、グッと強く後ろから抱き締められた。

「なっ、永津さん?!…」

「しばらく、しばらくの間。このまま抱き締めていてもいいですか?」

私は少しだけ落ち着いて、溜め息を付いた。

素直にそう言われて、私は永津さんの腕に触れて、

「はい、いいですよ」

と答えると、さっきよりも更に強く抱き締められた。

寂しくなっちゃったのかな。

きっと、いつもこうやって奥さんと資源ゴミを捨てに来ていたから。

だから急に人肌の温もりが、欲しくなったのだろうか。

チュッ…チュッ…チュッ…

えっ?

私のうなじに、生暖かい感触がした。

吸われてる?

「なっ…」

嘘っ…!

キスかと思ったら違う。

舌先が、私のうなじを舐めるようにキスをしている。

「ちょっ…ちょっと」

ペチャッ…ペチャッ…と変な音がして。

「やっ…いやっ」

無理矢理離れた。

私は本気でビックリしてしまった。

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