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あなたが消えない
第9章 深夜のお仕置き
明日も休みだからか、和男はなかなか眠りに付いてくれない。

0時を過ぎても起きている。

深夜のお笑い番組に、やらた大笑いしているのだ。

…早く寝てよ。

どうしよう、もう今夜は無理かも知れない。

…翔に会いたい。

「和男、私先に寝るからね。和男も早く寝てね。 うるさいとまた…」

何か言われるから。

「おう、もう少ししたら」

布団に入ると、翔の言葉を思い出す。

お仕置きって、言ってた。

何かされるのかな。

真夜中に玄関で、するの?

寒いよ…。

って、それがお仕置き?

身体がまた悶える。

翔の指先を思い出し気持ちよくなって、いつの間にか眠ってしまっていた。

しばくして、ふと目が覚める。

翔の夢を見ていたみたい。

何となく、

「…翼、愛してる…」

なんて、声が聞こえた気がしたから。

…はっ!今何時?

…かっ、和男は?

隣を見ると物凄い勢いで、イビキをかいて眠っている。

私は物音も立てずに、トイレに行く次いでに時計を見た。

2時を少し過ぎていた。

真冬の深夜は痛い程寒い。

なのに、外で待つだなんて出来っこない。

もしかしたら、翔も忘れて寝てるかも知れない。

だけどやっぱり口約束でも、和男のイビキを耳で確認して、上着を着て外へと出て行った。

静かな冬の星空が広がる。

きれい…。

階段を静かに降りた先には、タバコを吹かす翔が寒そうに待っていた。

「…翼、遅い」

「翔っ…」

私は、あまりの寒さに抱き付いてしまった。

そのまま引っ付いたまま、部屋の中に入る。

玄関で私は翔に後ろから、また抱き締められて囁かれた。

「俺をどこまで焦らすんだ。今夜はとことんお仕置きしてやる」

「お仕置きって、何なの?」

私は小声でヒソヒソと話す。

…えっ?!

突然、目隠しをされた。

「いっ、痛い。何するの?」

「今夜は特別、俺の布団の中へご招待」
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