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あなたが消えない
第10章 愛を植え付ける
バイトの面接日は明日の午前中。

それまでは外出は控えめにしていた。

今朝も和男を部屋から見送り、その後、翔が車で出勤したのを確認して、私はソファーに横たわりパンツを下げる。

翔とのセックスを結局思い出して、一人でろくに満足しない自慰行為をして、翔に会わないようにしていた。

「…んっ…あっ…翔…」

だけど、翔の名前を呼んでしまう。

翔っ…好き…欲しい…

目をグッと閉じて、思い出す。

翔の声を、頭の中で響かせたりして。

「…翼…キモチイイ…」

その言葉を思い出しながら、私は股から熱い汁を溢して、激しく指を出し入れした。

「…あぁん…もっと…もっと奥に…」

指一本じゃ足りなくて、二本の指で翔のマネをして中を掻き回した。

どんどん指先が濡れていく。

…グチョッ…グチョッ…ニュプッ…ニュプッ…

静かな部屋の中では変態音と私の声が漏れる。

でも、ただ痛いだけ。

翔の温もりは感じない。

私は疲れて、そのままの姿でソファーで眠ってしまった。

しばらくして、何度も何度もインターホンが鳴るから目が覚めた。

私は慌ててパンツを履いて、インターホンのカメラモニターを見ると、誰も立っていない。

あれっ?

私は、不安そうに玄関の扉を開ける。

その小さく開けられた扉の隙間から、見えたのは、翔だった。

ビックリして、口を両手で覆った。

「翼」

「翔」

翔は扉を開けて、玄関へと入ってきた。

カギをかけて、すばやく振り返り抱き締める。

「翼っ…翼っ…」

抱き締めたかと思えば、翔は私のスカートの裾を捲って、パンツの中にあるお尻を強く掴みながら揉んできた。

そしてキス。

口唇を甘噛みして、息が苦しくなるくらい濃厚なキスを、翔は求めてきていた。

「会いたかったよ、翼…」

そう言って、また翔は私にキスをする。

「翼、あの時はごめん。冷たくしてごめん…」

またキスをして、お尻の方から翔は指でまさぐる。

「翔、もう止めて。もうこういう事は一切お断りしたいの」

強がりながら、私もキツイ言葉で返した。

「…えっ、何で?」

何でって。
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