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あなたが消えない
第10章 愛を植え付ける
指で強く擦る。

翔の舌先で感じた、あの部分を。

「んぁっ…」

ダメなの。

そう思うのに、翔の温かい舌の感覚を知っているから思い出して感じてしまう。

「…あっ…あん…あぁん…」

ごめんね、私の身体。

しばらくは私の指で、耐えて欲しい。

なのに我慢出来ないと、下のヒクツク穴から涙みたいに溢れ出す。

翔じゃなければ、寂しいと。

どんどん下着が、下からの涙で濡れていく…。

「…翔…翔…あぁん…あん…」

私は上からも下からも涙を流しながら、ビショビショに濡らして、指を差し込んだ。

「んあぁっ…翔っ…」

あなたが、私に植え付けたのよ。

あなたが、私の心と身体に植え付けたのよ。

こんな自分の細い指で満足出来る訳ないじゃない。

あなたの硬くて太い、突き刺さるような衝動でなければ、満足なんて出来ない。

指を何度も何度も、これでもかってくらい出し入れしながら、私は涙を流す。

「翔のが欲しい…翔の全てが欲しい…奥さんなんて無視して…お願い…私だけを愛してよ…愛して!…あぁん…あん…あん…あん……っあぁ!」

イッてもイッても、更にそれでも足りなくて、何度も何度も絶頂を虚しく霞めてばかり。

自分で自分を、慰められなかった。

バカみたい、私。
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