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あなたが消えない
第12章 刻み込む
疲れ果て、気が付いた時に私は布団の中で眠っていた。

隣りには、翔がいた。

私の髪の先を、クルクルと指先で巻いて、退屈そうに遊んでいた。

「翔」

「目、覚めた?」

「うん」

「翼の寝顔、可愛い」

「見てたの?」

「ああ、ずっと見てた」

私は翔の胸の中に隠れた。

翔の色白な肌に触れながら、さっきの出来事を思い出し、またギュッと恥ずかしくなって、顔を埋める。

「翼、俺ね、さっき翼に聞いた質問の答え。信じてるからね」

「うん」

永遠に私は永津 翔を愛し続ける。

永遠の永の字の永津 翔。

永遠の遠の字の遠山 翼は、翔の愛人で居続ける。

私の翼にも、翔にも。

羽が付いてるから。

近くても、遠くても、私たちには羽がある限り、どんな距離でも、どんな状況で合っても、すぐに飛んで会いに行く。

「でも奥さん戻って来たら、気まずいな」

私がそう言うと、

「俺は気まずくないよ。だって、翼は俺を愛してくれてるんだろ?」

「そうだよ。でも、女は複雑なんだよ?」

「妻は妻。愛人はその名の通り愛人」

「それでも、嫉妬しちゃうよ?」

私はすねた。

「俺も嫉妬はしてるよ。でも、嫉妬したらすぐに俺は翼を抱き締めに行くよ?」

「うん」

翔は私の手を、そのまま自身の硬くなりつつあるモノに、布団の中で握らせた。

「愛してるよ」

私は翔の強い視線を、はずせないまま。

握ったアレを、ゆっくり擦った。

「…んっ…」

翔は眉を少しだけ八の字にして感じていた。

「…翼…」

翔はピクピクと硬いのを反応させながらも、私の顔をジーッと見つめる。

「…凄く…キモチイイ…んっ…」

翔は肩を震わせながら、何度も浅い呼吸をして、感じていた。
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