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あなたが消えない
第15章 初出勤日の夜
いよいよ、今朝からアルバイトへと行く。

あの和男が、しけたスーパーと言ったスーパーへ。

あの翔が、お値打ちなスーパーだとイヤミを込めてオススメしてくれたスーパーへ。

「じゃあ、俺も仕事行くけどさ、アルバイト頑張れよ。身だしなみと言葉使いだけは気を付けてな。何でも第一印象で物事は決まるんだからな」

何、それ。

偉そうに。

それだけで決まるだなんて言い張るあなたは、他人をなめてるわ。

きれい事しか言えない哀れな人。

和男ってば、完全に私を見下している。

「わかった。行ってらっしゃい」

さっさと、会社に行けっての。

送り出して、玄関の扉を閉めた。

ふぅ~…。

結局、翔は戻って来なかった。

…あっ!

そんな翔の事すらにも、時間を掛けて悩む程の時間もないくらいに、私はアルバイトへ行くために、久々に朝からバタバタと支度をした。

とにかく、意気込まない。

自分らしく。

朝食を済ませて適当に片付けて、私は仕事先へと出掛けた。

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