この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あなたが消えない
第15章 初出勤日の夜
親切に店内や使用する場所などを案内されて、一通り作業内容の説明を受けて、自己紹介をした。

簡単な軽作業を教えてもらいながら働くと、時間はすぐに過ぎる。

だから、働くのが私は嫌いじゃない。

無駄に時間を過ごしていない感じがするから。

60代のオバサンが私に声を掛ける。

「今はね、働かなきゃいかん。女だからって家の事ばっかりやって、家の中に居るだけじゃいかんのよ」

「ですよね、アハハ」

強気な発言に、私は本当に心強かった。

独身の女の子も言う。

「新婚なんですか?私は何か結婚願望、全く無くって。そんなにイイモンなんですかね、それ」

その投げやりな言い方が、とても新鮮に感じた。

「まぁ、一応は新婚の部類ですけど。やっぱり独身が一番幸せですよ。だって何もかも自由だから」

だって、本当にそうなんだもの。

「あぁ、よかった。じゃあ、私は今の自分が正解な訳だ、アハハ」

そうだよ、今の身軽な生活が一番幸せに決まってる。

「子どもは?」

「いません。造る気もないんですよ。私も結婚願望ないのと同じで、子ども全く欲しくないんです」

私は翔との約束を思い出して、キッパリと答えるとオバサンは、

「そんなもんは、いつでもいいんだよ。これから働くんだからぁ」

私に期待して言ってくれる。

独身の子も、

「子どもなんか産んだら、不便な事が多くなるから、私は絶対子どもは要らない派だよ。遠山さんのそれ、正解だわ。アハハ」

「大きな声で言ったらいかんよ。でも金は稼がなね。旦那だけには頼ったらいかん。俺の給料で生活云々言われたら悔しいから」

オバサンが言い返す。

「そうですってば、その通り。アハハ」

「ゲッ、そんなだから結婚って地獄ぅ~。旦那は邪魔臭いわ、子どもで人生縛られたくないわ~」

その会話に、私は笑い飛ばした。

初日から、楽しかった。

たぶんこの辛口な二人で、私はこの職場でうまくやっていけるんじゃないかな、と直感した。
/145ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ