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第12章 レベル12〜孕ませたい

小川の会社で改めてりんさんが企画のプレゼンをした。

何人かの関係者だけの会議のつもりで行ったが、
かなりの人数が集まっていた。

小川に後から訊くと、
系列会社の人間から、
取引銀行の担当者、
渉外担当の弁護士まで呼んでいたようだった。

更に、ゲーム機メーカーと通信機器メーカーのお偉いさんも来ていた。


対するこちらは、
りんさんと俺と真人先輩だけ。


それなのにりんさんは全く動じることもなく、
パワポの資料をプロジェクターで出しながら説明して、
途中、質疑応答にも答えていってた。


まさしく、りんさんが勇者で、
俺と先輩はお付きの人って感じ。



内容は、スマホやゲーム機を使ったオンラインゲームを通じて、
リアルタイムの高齢者の安否確認、健康状態のチェック、
及び健康増進をするプラットホームを作るというものだった、


ゲーム会社はソフトの売上や使用料の確保が出来る。
ゲーム機メーカーはハードウェアの販売、契約によっては、
そちらでも使用料等の確保が出来る。
通信会社も使用料、通信費が確保出来る。

オプションでその他、
課金要素がある。

利用者は、
ゲームを通じて脳や手先、
ソフトによっては身体全体を使って動かすことで、
健康増進、認知症予防が出来る。
また、利用がない日が続く場合、
倒れたりしていないかの安否確認が出来ることが出来る。

健康面については、
大学病院他で実証研究をしてエビデンスを取る。

そして、これらの業務については、
厚生労働省と経済産業省から予算を採れるよう、
プロジェクトを組んでいく。

国としても、
高齢化と嵩む医療費の問題が解消出来る事業になる。



そんな膨大なものだった。



最後にりんさんは、
にっこり笑って言った。


「このプロジェクト、
企画してご提案はさせていただきましたが、
出来たばかりのわたくしの会社で実現することは出来ません。
出来ましたら、ご一緒してくださる方と『チーム』を組んで取り組みたいと考えております。
わたくしどもからは、
原案の提供、
国内外のいくつかの大学病院からのご協力の取り付け、
そして広報の担当として『ソルト』さんの参加をご用意させていただきます」と言った。

会場の人々が一斉に俺を見た後、
会場は静まりかえってしまった。