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モーニングコーヒー
第15章 レベル15〜ラスボス攻略
あっという間に3年経ってしまって、
瑛人の2歳の誕生日になった。
秀人も3年に上がるトコで、
段々大学も忙しくなるところだった。
俺達の仕事は、充分…というより、
充分過ぎるほど成功していた。
小川の処のゲームをベースに新たなシリーズを作ったうち、
3本のゲームは売上は世界規模でもベスト5に入るほどだった。
しかも、単なるゲームとしても成功していたが、
それを使った高齢者の見守りサービスや認知症予防効果についてもお墨付きを貰っていた。
それをサポートする若い層の雇用も促進出来て、
小川の会社もゲームのハードを売るメーカーも通信会社も売上が右肩上がりになっていた。
『ソルト』としての仕事も増えたし、
クッキングチャンネルをやる『Lin & Sugar』も人気配信者になっていた。
そんなある日、
俺だけ、『ソルト』の格好で撮影あるからと言われて、
撮影スタジオに行っていたら、
突然、秀人からの電話が鳴った。
「なんだよ?
こんな時間の電話、珍しいな?」
と言うと、
「ママがっ!
ママが大変なんだ!
今、僕、そっちに向かっている。
あと、5分で着くから、
出る用意、しておいて?」と慌てた口調で言われる。
いつも、冷静な秀人が、
本当に慌てているから、
俺は心臓が握り潰されるような痛みを感じる。
知り合いのカメラマンに、
「済まない。
なんか、急用が出来たから」と言って、
ヘアメイクのヒトにも頭を下げる。
スタッフに、
「ごめん。
なんか、りんさんが…」と口にしたら、
俺、もう泣いてるみたいだった。
「大丈夫ですか?」と、
クシャクシャのハンカチを渡されて、
鼻水を噛むと、
「あっ、ごめん」と慌てて謝る。
そこに、秀人が来る。
「駿さん、急いで?
車、こっち」と言われて、
慌てて秀人の車に乗り込んだ。
運転中も、秀人は無言だ。
運転をミスってもいけないから、
俺も唇を噛み締めて、
手を握り締めながら、
油断すると震えそうになる自分の膝を見ていた。
車が止まったから周りを見ると、
地下の駐車場のようだった。
「こっち!」
と、エレベーターに乗り込んだ。
視界が暗いのは、
サングラスを付けっぱなしだったからだってことすら、
俺は気が付かなかった。
瑛人の2歳の誕生日になった。
秀人も3年に上がるトコで、
段々大学も忙しくなるところだった。
俺達の仕事は、充分…というより、
充分過ぎるほど成功していた。
小川の処のゲームをベースに新たなシリーズを作ったうち、
3本のゲームは売上は世界規模でもベスト5に入るほどだった。
しかも、単なるゲームとしても成功していたが、
それを使った高齢者の見守りサービスや認知症予防効果についてもお墨付きを貰っていた。
それをサポートする若い層の雇用も促進出来て、
小川の会社もゲームのハードを売るメーカーも通信会社も売上が右肩上がりになっていた。
『ソルト』としての仕事も増えたし、
クッキングチャンネルをやる『Lin & Sugar』も人気配信者になっていた。
そんなある日、
俺だけ、『ソルト』の格好で撮影あるからと言われて、
撮影スタジオに行っていたら、
突然、秀人からの電話が鳴った。
「なんだよ?
こんな時間の電話、珍しいな?」
と言うと、
「ママがっ!
ママが大変なんだ!
今、僕、そっちに向かっている。
あと、5分で着くから、
出る用意、しておいて?」と慌てた口調で言われる。
いつも、冷静な秀人が、
本当に慌てているから、
俺は心臓が握り潰されるような痛みを感じる。
知り合いのカメラマンに、
「済まない。
なんか、急用が出来たから」と言って、
ヘアメイクのヒトにも頭を下げる。
スタッフに、
「ごめん。
なんか、りんさんが…」と口にしたら、
俺、もう泣いてるみたいだった。
「大丈夫ですか?」と、
クシャクシャのハンカチを渡されて、
鼻水を噛むと、
「あっ、ごめん」と慌てて謝る。
そこに、秀人が来る。
「駿さん、急いで?
車、こっち」と言われて、
慌てて秀人の車に乗り込んだ。
運転中も、秀人は無言だ。
運転をミスってもいけないから、
俺も唇を噛み締めて、
手を握り締めながら、
油断すると震えそうになる自分の膝を見ていた。
車が止まったから周りを見ると、
地下の駐車場のようだった。
「こっち!」
と、エレベーターに乗り込んだ。
視界が暗いのは、
サングラスを付けっぱなしだったからだってことすら、
俺は気が付かなかった。