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近くて遠い
第13章 渦巻く気持ちと交わり
「いっ、痛い…!だ、ダメですっ…やめてっ…」


有川様が腰を沈めるとあまりの痛さに私は悲鳴を上げた。


「真希っ…」


遠のきそうな意識が
有川様の呼ぶ声で繋ぎ止められる。


「っ…力抜けっ…大丈夫だっ…」


っ……どうしてっ…どうしてそんなに優しいの……?



『大丈夫』という言葉に何故か安心してしまう…


私はただ首を縦に振り、有川様を受け入れた。



「あ……」



不思議な感覚だった。



有川様は腰を沈みきると、はぁ…と息を洩らしてしばらく動かずに私をギュッと抱き締めた。




「大丈夫か…?」


「っ…は…いっ…」




触れるだけのキスが何度も唇に落とされる。


それだけで、胸がいっぱいになる…。



「動くぞっ…掴まれっ…絶対に放すなっ…」



少し乱暴な口調でそういうと有川様はゆっくりと腰を動かし始めた。



「あっ、っ…はぁっ…」



堪えられないと思った痛みがじんわりとだんだんと快感に変わっていく…


怖いと思う余裕もなくなって、私は必死にその逞しい身体に自分の腕を巻き付けた。


「真希っ…くっ…
お前は……何故…こんなに俺を狂わすんだっ…」


「はぁっ……んっ…あ…」



有川様は私の名前を呟きながら、私を抱えて身体を起こし、繋がったまま自分の上に座らせた。



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