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近くて遠い
第15章 芽生え
「真希様、少しだけ……ご主人様を信じてみてはいかがですか?」
「信じる?」
「はい!ご主人様は少々…いや、大分…、愛情表現が苦手なんだと思います…」
静かな部屋の中に射し込む光が、私の背中を温めていた。
──────お前は……どうしてこんなに俺を狂わすんだっ…
たくさん
甘い言葉が降ってきた。
なのに、愛の言葉を望んでしまうのは、私が貪欲だからなのだろうか。
「そうね…」
不安は拭えない。
でも、私だけでなくお母さんも隼人も引き取ってくれているのは事実。
そしてなにより、私自身…昨日の優しさを嘘だと思いたくない…なんて思ってしまっている…。
ゴーーン──…
部屋の時計が声を出して私たちに正午を知らせる。
愛花ちゃんはその音に反応して突然立ち上がった。
「いけないっ!昼食の準備しなくちゃっ!うぅ…また怒られちゃうっ!」
そう言って扉へ向かうと、愛花ちゃんはクルリと振り返って勢いよく会釈をすると、慌ただしく部屋を出てしまった。
「信じる?」
「はい!ご主人様は少々…いや、大分…、愛情表現が苦手なんだと思います…」
静かな部屋の中に射し込む光が、私の背中を温めていた。
──────お前は……どうしてこんなに俺を狂わすんだっ…
たくさん
甘い言葉が降ってきた。
なのに、愛の言葉を望んでしまうのは、私が貪欲だからなのだろうか。
「そうね…」
不安は拭えない。
でも、私だけでなくお母さんも隼人も引き取ってくれているのは事実。
そしてなにより、私自身…昨日の優しさを嘘だと思いたくない…なんて思ってしまっている…。
ゴーーン──…
部屋の時計が声を出して私たちに正午を知らせる。
愛花ちゃんはその音に反応して突然立ち上がった。
「いけないっ!昼食の準備しなくちゃっ!うぅ…また怒られちゃうっ!」
そう言って扉へ向かうと、愛花ちゃんはクルリと振り返って勢いよく会釈をすると、慌ただしく部屋を出てしまった。