パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第15章 芽生え

ぽつんと急に一人になると、どうしようない孤独感が私を襲った。


休日は隼人がいるから、まだそれを感じないが、平日はダメだ…


屋敷の人も皆掃除やら食事やらで忙しそうだし、第一知り合いも愛花ちゃんくらいしかいない…


お母さんの様子を見に行くと言っても身体の負担を考えると一時間もいられない。



「暇だなぁ…」


こんなどうでもいい独り言も声に出して言いたくなるほどだ。


何か仕事をくれれば紛れそうなものだけれと…


ソファーから立ち上がって、窓に向かった。

有川様にとって
私は何なのだろうか？


それがよく分からない。



また、今夜もこの部屋に有川様は来るのだろうか…。

一気に身体に血が巡って、顔がカァと紅くなるのが分かった。


やだ、なんか私、期待してるみたいじゃない…


フゥと息を吐いて窓ガラスに触れると、指先がひんやりと冷えていく。



やっぱり、何か仕事をもらおう…


今まで寝る間も惜しんで働いていた分、やはり急に何もしなくていい生活は耐えられなかった。


それに、動いてないと変なこと考えちゃう…


新たに芽生えた未知なる感情の存在を認識しながらも、まだそれを向き合おうとは中々思えなかった。


一人であれこれ考えてもよくない。


自身を奮い立たせると、私は部屋を出て古畑さんを探した。