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近くて遠い
第16章 朝食の味
何で、私が変な気起こすのよ!
それは光瑠さんの方でしょ!
ムスッとしたまま私は息をついて、持ってきた朝食を机に広げた。
ガチャ…
と扉が開いた音がして振り替えると、相変わらず憎らしいほど完璧に白いスーツを着こなした光瑠さんが濡れた髪をタオルでわしゃわしゃさせながら出てきた。
「なんだ、メイドの真似事か」
ドカッと椅子に座りながら、言い放つ。
「っ…あんまり暇なので、昨日古畑さんに仕事をもらったんです。」
「なに?」
険しい顔をして光瑠さんは私を見たあと、しばらく黙って、だから疲れてたのか、とポツリと呟いた。
「はい?」
よく聞こえず聞き返すと、光瑠さんは何でもないとぶっきらぼうに答えた。
たくさんある食べ物を並べ終えると、
光瑠さんはそのテーブルをみて顔をしかめた。
「………………」
何だか少し不機嫌な様子でジッとブドウを眺めている。
─────笑顔で『あ~ん』ってやらないと大層怒られますのでご注意を
私はふと古畑さんに言われた事を思い出して、強ばりそうになる顔を必死に笑顔にさせた。
習慣って本当だろうか…?
いや、でも古畑さん真顔で言ってたし……
やらないで光瑠さんに怒られるのいやだし…
最近の光瑠さんの豹変ぶりをみるに、あ~んをさせていても不思議じゃない…
と思った。
「ひ、光瑠さんっ…、
これ…!あ~~んっ」
恥ずかしいという気持ちを捨て去って、私は渾身の笑顔を光瑠さんに振り撒いた。
「っ……」
だが、光瑠さんは黙ったまま、随分と険しい顔で私をじっと見つめていた。
えっ…
どうしようっ…
なんか違ったかな…
焦る私の目の前で、光瑠さんは突然激しく頭のタオルをわしゃわしゃさせた。
それは光瑠さんの方でしょ!
ムスッとしたまま私は息をついて、持ってきた朝食を机に広げた。
ガチャ…
と扉が開いた音がして振り替えると、相変わらず憎らしいほど完璧に白いスーツを着こなした光瑠さんが濡れた髪をタオルでわしゃわしゃさせながら出てきた。
「なんだ、メイドの真似事か」
ドカッと椅子に座りながら、言い放つ。
「っ…あんまり暇なので、昨日古畑さんに仕事をもらったんです。」
「なに?」
険しい顔をして光瑠さんは私を見たあと、しばらく黙って、だから疲れてたのか、とポツリと呟いた。
「はい?」
よく聞こえず聞き返すと、光瑠さんは何でもないとぶっきらぼうに答えた。
たくさんある食べ物を並べ終えると、
光瑠さんはそのテーブルをみて顔をしかめた。
「………………」
何だか少し不機嫌な様子でジッとブドウを眺めている。
─────笑顔で『あ~ん』ってやらないと大層怒られますのでご注意を
私はふと古畑さんに言われた事を思い出して、強ばりそうになる顔を必死に笑顔にさせた。
習慣って本当だろうか…?
いや、でも古畑さん真顔で言ってたし……
やらないで光瑠さんに怒られるのいやだし…
最近の光瑠さんの豹変ぶりをみるに、あ~んをさせていても不思議じゃない…
と思った。
「ひ、光瑠さんっ…、
これ…!あ~~んっ」
恥ずかしいという気持ちを捨て去って、私は渾身の笑顔を光瑠さんに振り撒いた。
「っ……」
だが、光瑠さんは黙ったまま、随分と険しい顔で私をじっと見つめていた。
えっ…
どうしようっ…
なんか違ったかな…
焦る私の目の前で、光瑠さんは突然激しく頭のタオルをわしゃわしゃさせた。