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近くて遠い
第16章 朝食の味
今のは何だったのだろうか…
しばらくすると廊下でメイドさんたちが、わーきゃー言っている声が聞こえた。
光瑠さんは、チッと再び舌打ちをして、水をゴクゴクと飲み干す。
その度に揺れる男らしい喉仏を私は無意識にじっと見た。
「お前も…もうちょっと、騙されてるかもとか思えっ」
「えっ、あ…はいっ」
「古畑にはめられたことよりも、俺がそんなことさせてることを信じたお前に腹がたつ!!」
キッと睨み付ける光瑠さんに私は身体を固めた。
「す、すみません…」
やはり彼は基本、恐い人物だということを私は再確認した。
そして自分が普通に膝の上に座っているのが急に恥ずかしくなって、降りようとした。
「誰が降りていいって言った。」
「えっ…」
ガシッと掴まれて、降りるのを阻まれる。
そして光瑠さんは軽々と私を持ち上げると、右膝から左膝に私を移した。
「あっ、あのっ…」
バランスが崩れそうになって、私は必死に光瑠さんの肩を掴んだ。
「お前のせいで時間がない。」
光瑠さんはそういうと、なにやらポケットをゴソゴソとして、取り出したものを私に渡した。
……ネクタイ…?
「結べ。俺は食べる。」
それだけ言って光瑠さんは私を支えていない右手にお箸を握った。
「えっ…」
結べって…
「早く。」
鋭く見上げられて私は、反射的に頷くと、その白いネクタイを光瑠さんにかけた。
高校に通っていたときの制服がネクタイだったけど…。
人につけたことがなかったので私は困惑しながら、ネクタイと格闘した。
しばらくすると廊下でメイドさんたちが、わーきゃー言っている声が聞こえた。
光瑠さんは、チッと再び舌打ちをして、水をゴクゴクと飲み干す。
その度に揺れる男らしい喉仏を私は無意識にじっと見た。
「お前も…もうちょっと、騙されてるかもとか思えっ」
「えっ、あ…はいっ」
「古畑にはめられたことよりも、俺がそんなことさせてることを信じたお前に腹がたつ!!」
キッと睨み付ける光瑠さんに私は身体を固めた。
「す、すみません…」
やはり彼は基本、恐い人物だということを私は再確認した。
そして自分が普通に膝の上に座っているのが急に恥ずかしくなって、降りようとした。
「誰が降りていいって言った。」
「えっ…」
ガシッと掴まれて、降りるのを阻まれる。
そして光瑠さんは軽々と私を持ち上げると、右膝から左膝に私を移した。
「あっ、あのっ…」
バランスが崩れそうになって、私は必死に光瑠さんの肩を掴んだ。
「お前のせいで時間がない。」
光瑠さんはそういうと、なにやらポケットをゴソゴソとして、取り出したものを私に渡した。
……ネクタイ…?
「結べ。俺は食べる。」
それだけ言って光瑠さんは私を支えていない右手にお箸を握った。
「えっ…」
結べって…
「早く。」
鋭く見上げられて私は、反射的に頷くと、その白いネクタイを光瑠さんにかけた。
高校に通っていたときの制服がネクタイだったけど…。
人につけたことがなかったので私は困惑しながら、ネクタイと格闘した。