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近くて遠い
第21章 近くて遠い
「こんなところで何してんだ?」
「鬼ごっこ!お姉ちゃんと!お兄ちゃんもやる?」
隼人は目を輝かせて要さんに尋ねた。
「お姉ちゃん…?」
眉をひそめる要さん。
そして私は、ゆっくりと二人に近付いた。
「そうお姉ちゃん!ほら!」
隼人が私の方を見ながら言う…
私が立てた足音に、要さんが顔を上げた。
「……こんにちは。」
私がそう言うと、爽やかな風が庭の中に通りすぎていった。
「その声は…真希さん…?」
要さんの手がまた空を舞う。
私はそれをジッと見つめた後、手を伸ばして、その手を掴んだ。
「ここに…ここにいます…」
要さんは私の声を聞くと握った手の力を強めながら、澄んだ瞳で私を見つめた。
「良かった。真希さんを探してたんです。」
「……私を…?」
掴んだ手がゆっくりと降りて離れる。
「えぇ、昨日のお詫びをと思いまして。」
要さんはそういうと小さな紙袋を私に渡した。
「っ…そんな、あれは私の不注意でっ…」
「ねぇ!お姉ちゃんなにそれー!見ていいー!?」
隼人が私の洋服の裾を掴んで紙袋を見る。
「ちょっと…!隼人!」
「いいよ、開けな。」
私が隼人を叱ると要さんが優しくそう言った。
「やったー!!」
隼人はそれを聞いて喜ぶと私の持っていた紙袋を取ってしまった。
「あぁっ…もう…本当にすみません。」
ニコニコしながら、紙袋を開ける隼人に溜め息をつきながら、要さんに頭を下げた。
「いえいえ。どこか、座りましょうか…」
「あ、そうですね…」
要さんの言葉に慌てて辺りを見ますと、少し離れたところに白いベンチを見つけた。
「あっ、じゃああそこに…」
そう言ってベンチを指差そうとしてハッとした。
「鬼ごっこ!お姉ちゃんと!お兄ちゃんもやる?」
隼人は目を輝かせて要さんに尋ねた。
「お姉ちゃん…?」
眉をひそめる要さん。
そして私は、ゆっくりと二人に近付いた。
「そうお姉ちゃん!ほら!」
隼人が私の方を見ながら言う…
私が立てた足音に、要さんが顔を上げた。
「……こんにちは。」
私がそう言うと、爽やかな風が庭の中に通りすぎていった。
「その声は…真希さん…?」
要さんの手がまた空を舞う。
私はそれをジッと見つめた後、手を伸ばして、その手を掴んだ。
「ここに…ここにいます…」
要さんは私の声を聞くと握った手の力を強めながら、澄んだ瞳で私を見つめた。
「良かった。真希さんを探してたんです。」
「……私を…?」
掴んだ手がゆっくりと降りて離れる。
「えぇ、昨日のお詫びをと思いまして。」
要さんはそういうと小さな紙袋を私に渡した。
「っ…そんな、あれは私の不注意でっ…」
「ねぇ!お姉ちゃんなにそれー!見ていいー!?」
隼人が私の洋服の裾を掴んで紙袋を見る。
「ちょっと…!隼人!」
「いいよ、開けな。」
私が隼人を叱ると要さんが優しくそう言った。
「やったー!!」
隼人はそれを聞いて喜ぶと私の持っていた紙袋を取ってしまった。
「あぁっ…もう…本当にすみません。」
ニコニコしながら、紙袋を開ける隼人に溜め息をつきながら、要さんに頭を下げた。
「いえいえ。どこか、座りましょうか…」
「あ、そうですね…」
要さんの言葉に慌てて辺りを見ますと、少し離れたところに白いベンチを見つけた。
「あっ、じゃああそこに…」
そう言ってベンチを指差そうとしてハッとした。