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近くて遠い
第22章 距離
ギュッと握られた真希の片手を、光瑠は後頭部を支えていない方の手で掴み、顔を交差させ甘いキスをしながら、その手を開いて手を合わせた。


真希の小さな手が光瑠の大きな手に重なると、光瑠はそれを少しずらして、真希の指の間に自分の指を入れて、ギュッと握る。


真希もそれに合わせて、光瑠の手を優しく握る。



「はぁ……ん……」



3日…


たった3日が


こんなにも二人を熱くさせていた。


毎晩密かにキスを落としていた光瑠も望んでいた深い絡みに身体を興奮させる。




「ひ、ひか…るさんっ…」



キスの合間に真希が光瑠の名を呼ぶ。



「なんだ…」



唇は離さずに会話をする。

舌はゆっくり絡めたまま…離れるのが惜しいから…


「ふぁ……ん……ひ…ひかる…さん……も…?」



光瑠さんも…?


そう言ったのだろうか、

一体何が…?


惜しいけども、真希が自分に何を伝えようとしてるのか知りたくて、光瑠は絡めた舌をゆっくり離した…



「何がだ…?」


蕩けそうな真希の表情を見ながら、握った手は離さずに光瑠は尋ねる。


「やっぱり……なんでもないです…」


真希はそう言って、光瑠の胸に頭をつけた。



はっきり伝えてくれればいいものを…


もどかくし思いながらも自分に身を倒す真希が堪らなく愛しい…


仕事で張りつめていた気持ちがだんだんと緩んで身体の力が抜けていく…



「真希…言いたいことがあるなら言え…」



光瑠は小さい身体を抱き締めて優しく呟いた…



「………っ…のかなって……」


「ん?」


声が小さくて上手く聞き取れなくて、光瑠は身体を少し離した。



「あっ…」



そんな光瑠の仕草に真希は声を上げると離れようとする光瑠に再びしがみついた。




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