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近くて遠い
第28章 にわか雨
────────…
光瑠さんの帰国を前日に控えた日、私は愛花ちゃんと共に久しぶりに外に出ていた。
「真希様って、お化粧とかされますか?」
「お化粧?」
愛花ちゃんの視線の先にはきらびやかなコスメショップがあった。
高校に通っていた時、友達はみんなしていたけど、私はめんどくさくてあまりしない方だった。
お化粧をするようになったのは、radiceで働くと決めてから、幸ママに教えてもらったのが初めてだ。
「今はしないけど、前はね。」
もうすでに懐かしい思い出になりつつあるその日々を思い浮かべながら言った。
「そうなんですか…」
気になるのか、愛花ちゃんはそのコスメショップを見たまま答える。
「……寄る?」
「い、いえそんなっ…」
「なんで?行こうよ!時間もあるでしょ?」
私の誘いに愛花ちゃんは少し困った顔をしたあと、じゃあ…と仄かに顔を紅くさせた。
かわいい…
今日はいつものメイド服ではなく、淡いピンクのフリルスカートに白いニットを着ている愛花ちゃん。
普通だったら甘すぎるその格好も愛花ちゃんにはピッタリでよく似合っていた。
「わぁあすごいっ!」
まるで隼人みたいに瞳を輝かせてコスメを見る愛花ちゃんは、やっぱり普通の17歳なんだなぁと、思った。
「自分もか…」
「ねぇっ!真希様っ!これってどうやるんですか?」
自分も17歳なのに、なぜか愛花ちゃんといると妹が出来た心地になる。
「どれ?」
ビューラーのお試しを不思議そうに眺める愛花ちゃんに私は近付いた。
久しぶりに楽しい、とそう思える時間──
私は和やかな気持ちで愛花ちゃんとしばらくコスメショップで楽しい時間を過ごしていた。
光瑠さんの帰国を前日に控えた日、私は愛花ちゃんと共に久しぶりに外に出ていた。
「真希様って、お化粧とかされますか?」
「お化粧?」
愛花ちゃんの視線の先にはきらびやかなコスメショップがあった。
高校に通っていた時、友達はみんなしていたけど、私はめんどくさくてあまりしない方だった。
お化粧をするようになったのは、radiceで働くと決めてから、幸ママに教えてもらったのが初めてだ。
「今はしないけど、前はね。」
もうすでに懐かしい思い出になりつつあるその日々を思い浮かべながら言った。
「そうなんですか…」
気になるのか、愛花ちゃんはそのコスメショップを見たまま答える。
「……寄る?」
「い、いえそんなっ…」
「なんで?行こうよ!時間もあるでしょ?」
私の誘いに愛花ちゃんは少し困った顔をしたあと、じゃあ…と仄かに顔を紅くさせた。
かわいい…
今日はいつものメイド服ではなく、淡いピンクのフリルスカートに白いニットを着ている愛花ちゃん。
普通だったら甘すぎるその格好も愛花ちゃんにはピッタリでよく似合っていた。
「わぁあすごいっ!」
まるで隼人みたいに瞳を輝かせてコスメを見る愛花ちゃんは、やっぱり普通の17歳なんだなぁと、思った。
「自分もか…」
「ねぇっ!真希様っ!これってどうやるんですか?」
自分も17歳なのに、なぜか愛花ちゃんといると妹が出来た心地になる。
「どれ?」
ビューラーのお試しを不思議そうに眺める愛花ちゃんに私は近付いた。
久しぶりに楽しい、とそう思える時間──
私は和やかな気持ちで愛花ちゃんとしばらくコスメショップで楽しい時間を過ごしていた。