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近くて遠い
第30章 三つの想い
「罰か…」


溜め息交じりに光瑠が呟く。


真希…

関根をずっと想っていたのなら、何故あんな眼差しを俺に向けた…?


お前はそこまであざといやつだったのか…?



ドバドバと勢いよく注いだ酒がグラスの中で大きく波打って、こぼれる。



全ての元凶は自分だと分かっていても、光瑠は真希が憎かった。


憎い…


憎いのに…


もう手遅れなほど、心は真希で溢れかえっていた。



浴びように酒を飲む。



何かを食すこともなく、

眠ることもなく、



ただ無駄に広い部屋の中で光瑠はひたすら酒をあおっていた。
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