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近くて遠い
第32章 祭り
「随分長く、待たせてしまった…」
像を結んでいなかったあの瞳がしっかりと私を捉えている。
激しく顔を横に振る私を優しい眼差しで見つめている…
「ずっと見たかった……あなたのその顔が…」
私は
夢を
夢を見ているんだろうか…
「見えるんですかっ…!」
私の問い掛けに要さんの瞳から静かに涙が落ちた。
そして、ぎゅっと唇を噛み締め、何度も首を縦に振りながら、片方の腕を広げていた。
「要さんっ…」
堪らなくなって、私はぼろぼろ涙を流しながら、開かれた要さんの腕に飛び込んだ。
あぁっ…
よかったっ…!
本当にっ…
本当にっ……
「真希さんっ…遅れてすみませんでした…」
頭上から振る甘い言葉。
不安でぽっかり空いた心の穴に要さんの優しさがじんわりと入り込んで行く…
要さんは片腕に隼人を抱えたまま、しきりに頷く私の事を温かく包み込んでくれた。
「夢みたいっ…」
「……僕もまだ信じられません」
怖かった。
要さんまで私を置いてどこかに行ってしまうんじゃないかって、ずっとずっと不安だった…
「真希さん…顔上げて…」
でも、彼は
絶対に私の前に現れる…
私が弱っていると
その手を掴んで、導いてくれる…
ゆっくりと顔を上げると、隼人と要さんがじっと私を見てた。
「かなめさん……」
「笑って下さい…」
その微笑みに胸が高鳴る。
私は泣きながら、同じように微笑みを返して、頷いた。
像を結んでいなかったあの瞳がしっかりと私を捉えている。
激しく顔を横に振る私を優しい眼差しで見つめている…
「ずっと見たかった……あなたのその顔が…」
私は
夢を
夢を見ているんだろうか…
「見えるんですかっ…!」
私の問い掛けに要さんの瞳から静かに涙が落ちた。
そして、ぎゅっと唇を噛み締め、何度も首を縦に振りながら、片方の腕を広げていた。
「要さんっ…」
堪らなくなって、私はぼろぼろ涙を流しながら、開かれた要さんの腕に飛び込んだ。
あぁっ…
よかったっ…!
本当にっ…
本当にっ……
「真希さんっ…遅れてすみませんでした…」
頭上から振る甘い言葉。
不安でぽっかり空いた心の穴に要さんの優しさがじんわりと入り込んで行く…
要さんは片腕に隼人を抱えたまま、しきりに頷く私の事を温かく包み込んでくれた。
「夢みたいっ…」
「……僕もまだ信じられません」
怖かった。
要さんまで私を置いてどこかに行ってしまうんじゃないかって、ずっとずっと不安だった…
「真希さん…顔上げて…」
でも、彼は
絶対に私の前に現れる…
私が弱っていると
その手を掴んで、導いてくれる…
ゆっくりと顔を上げると、隼人と要さんがじっと私を見てた。
「かなめさん……」
「笑って下さい…」
その微笑みに胸が高鳴る。
私は泣きながら、同じように微笑みを返して、頷いた。