この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
近くて遠い
第34章 Sweet Night
─────────…
ある週末。
私はそわそわしながら、家の前の道に立っていた。
久しぶりのメイクの感覚に目を何度もパチパチさせる。
まだ夕方なのに、もう辺りは真っ暗だ。
私は、ハァーと手に自分の息をあてながら、一人で約束した人の到着を待っていた。
するとそんなに待たないうちに、目の前に黒い車が止まった。
ドキッと胸を高鳴らせていると、後部座席の窓が音を立てて下がる。
「ごめんなさいっ…!待たせてしまって!」
慌てた様子で姿を現した要さんにいいえと言うと、
運転席から人が降りてきて、私の前で頭を下げた。
「こんばんは。要様の執事兼運転手の斎藤です」
私はその人の名前を聞いて、あっ…と声を出した。
斎藤さんって…
もしかしてあの日の…
「こっ、こんばんはっ…はじめまして…?」
語尾についたハテナにハハハと斎藤さんが笑った。
「一度お目に掛かってますよ。お話しするのは今日が始めてですが…さぁ、乗ってください。」
斎藤さんがそう言って後部座席の扉を開けた。
すみませんとペコリあいさつをしながら、私は車に乗り込んだ。
「こんばんは。」
にこっと優しく向けられた要さんの笑顔にしょっぱなから私は倒れそうだった。
「こっ…こんばんはっ…」
要さんは私の言葉を聞くと怪訝そうに私の背後を見た。
「あれっ?隼人は…?」
「それが……」
ある週末。
私はそわそわしながら、家の前の道に立っていた。
久しぶりのメイクの感覚に目を何度もパチパチさせる。
まだ夕方なのに、もう辺りは真っ暗だ。
私は、ハァーと手に自分の息をあてながら、一人で約束した人の到着を待っていた。
するとそんなに待たないうちに、目の前に黒い車が止まった。
ドキッと胸を高鳴らせていると、後部座席の窓が音を立てて下がる。
「ごめんなさいっ…!待たせてしまって!」
慌てた様子で姿を現した要さんにいいえと言うと、
運転席から人が降りてきて、私の前で頭を下げた。
「こんばんは。要様の執事兼運転手の斎藤です」
私はその人の名前を聞いて、あっ…と声を出した。
斎藤さんって…
もしかしてあの日の…
「こっ、こんばんはっ…はじめまして…?」
語尾についたハテナにハハハと斎藤さんが笑った。
「一度お目に掛かってますよ。お話しするのは今日が始めてですが…さぁ、乗ってください。」
斎藤さんがそう言って後部座席の扉を開けた。
すみませんとペコリあいさつをしながら、私は車に乗り込んだ。
「こんばんは。」
にこっと優しく向けられた要さんの笑顔にしょっぱなから私は倒れそうだった。
「こっ…こんばんはっ…」
要さんは私の言葉を聞くと怪訝そうに私の背後を見た。
「あれっ?隼人は…?」
「それが……」