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近くて遠い
第34章 Sweet Night
「そうだけどっ…!でもそんな、私の知らない間にっ…無謀ですっ!!」
怒ったようにそう言った真希の瞳から涙が溢れた。
愛しい──
要はそれを親指で優しく拭った。
「そんなに怒らないで下さいよ。僕は今、ここにいるんだから。」
「だけどっ…だけどっ…」
要は泣き止まない真希に身を近付けて、抱き締めた。
すっぽり自分の身体に収まってしまう、真希の身体。
吸い付くような肌の感触。
要も胸をドキドキさせながら、真希が泣き止むのをじっとまった。
しばらくして、泣き止んだ真希はメイクが崩れたのを気にしてレストルームに向かった。
要は一人になった部屋でカクテルを飲む。
いつもは飲まない、甘い……下心のあるカクテル…
「すみませんでしたっ」
戻ってきた真希を要は少し虚ろに見つめて笑った。
再び席に着いた真希が少しだけ離れて座ったのが要は気になった。
久々のアルコールが要の身体を駆け巡って、血の巡りを良くする。
しばらく言葉がなくなって、店内のムーディーな音楽だけが二人の耳に入っていた。
「あのっ…」
再びグラスに口をつけた要に真希が話し掛けた。
「ん?」
ほろ酔いになりながら、真希を見つめると、真希が要のカクテルを指差した。
「要さんのカクテルは、何て言うんですか?」
その問いに、要は笑みを洩らした。
「アレキサンダーっていうカクテルです。」
へぇ…と言いながら、真希は残りわずかになった要のカクテルを見た。
要は再び真希に近付いて顎をクイっと持ち上げて自分の方を向かせる。
怒ったようにそう言った真希の瞳から涙が溢れた。
愛しい──
要はそれを親指で優しく拭った。
「そんなに怒らないで下さいよ。僕は今、ここにいるんだから。」
「だけどっ…だけどっ…」
要は泣き止まない真希に身を近付けて、抱き締めた。
すっぽり自分の身体に収まってしまう、真希の身体。
吸い付くような肌の感触。
要も胸をドキドキさせながら、真希が泣き止むのをじっとまった。
しばらくして、泣き止んだ真希はメイクが崩れたのを気にしてレストルームに向かった。
要は一人になった部屋でカクテルを飲む。
いつもは飲まない、甘い……下心のあるカクテル…
「すみませんでしたっ」
戻ってきた真希を要は少し虚ろに見つめて笑った。
再び席に着いた真希が少しだけ離れて座ったのが要は気になった。
久々のアルコールが要の身体を駆け巡って、血の巡りを良くする。
しばらく言葉がなくなって、店内のムーディーな音楽だけが二人の耳に入っていた。
「あのっ…」
再びグラスに口をつけた要に真希が話し掛けた。
「ん?」
ほろ酔いになりながら、真希を見つめると、真希が要のカクテルを指差した。
「要さんのカクテルは、何て言うんですか?」
その問いに、要は笑みを洩らした。
「アレキサンダーっていうカクテルです。」
へぇ…と言いながら、真希は残りわずかになった要のカクテルを見た。
要は再び真希に近付いて顎をクイっと持ち上げて自分の方を向かせる。