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近くて遠い
第35章 過去と現在
コール音が鳴る度に心臓が早く波打つような、そんな気がした。
出ないか…
気付いていないのか…
避けられているのか…
不穏な気持ちのまま要が電話を切ろうとした時
「はいっ…」
と柔らかい声音が受話器越しに聞こえた。
「………」
「あ、あの、もしもし…?」
「……あっ、すみません、要です。」
久しぶりに聞いた声に思わず言葉を失った要は慌てて言葉を返した。
「はいっ…どうかしましたか…?」
「……実は今、真希さんの家の前にいて…」
「えっっ!?」
電話の向こうで何かがガラガラと落ちた音がして、きゃあっ!小さな悲鳴が聞こえた。
「…大丈夫ですか…?」
「あ、えぇっ…ちょっと物を落としちゃってっ…今外でるので、ちょっと待っててくださいっ…!」
あまりの慌てように要は思わず笑って電話を切った。
ドキドキしながら、アパートを見上げていると、ガチャっと扉が開いて、少し乱れた髪を手ぐしで整える真希が目に入った。
「かなめーー!!」
顔を上げていると、突然足に衝撃を感じて要は視線を下げた。
「おぉ、隼人。久しぶり。風邪は?」
何故かリュックを背負った隼人がぎゅうぎゅうと要の足に抱きつきながら、もう元気!と叫んだ。
「すみませんっ…お待たせしちゃって…」
近付いてきた真希を要はじっと見つめた。
「いえいえ、約束もしてないのに、突然すみません…」
顔を赤らめて俯く真希を見て、要は胸が熱くなった。
良かった…
元気そうだ…
そんなことを思っていると、隼人が公園行こう!と行って要の手を引っ張った。
出ないか…
気付いていないのか…
避けられているのか…
不穏な気持ちのまま要が電話を切ろうとした時
「はいっ…」
と柔らかい声音が受話器越しに聞こえた。
「………」
「あ、あの、もしもし…?」
「……あっ、すみません、要です。」
久しぶりに聞いた声に思わず言葉を失った要は慌てて言葉を返した。
「はいっ…どうかしましたか…?」
「……実は今、真希さんの家の前にいて…」
「えっっ!?」
電話の向こうで何かがガラガラと落ちた音がして、きゃあっ!小さな悲鳴が聞こえた。
「…大丈夫ですか…?」
「あ、えぇっ…ちょっと物を落としちゃってっ…今外でるので、ちょっと待っててくださいっ…!」
あまりの慌てように要は思わず笑って電話を切った。
ドキドキしながら、アパートを見上げていると、ガチャっと扉が開いて、少し乱れた髪を手ぐしで整える真希が目に入った。
「かなめーー!!」
顔を上げていると、突然足に衝撃を感じて要は視線を下げた。
「おぉ、隼人。久しぶり。風邪は?」
何故かリュックを背負った隼人がぎゅうぎゅうと要の足に抱きつきながら、もう元気!と叫んだ。
「すみませんっ…お待たせしちゃって…」
近付いてきた真希を要はじっと見つめた。
「いえいえ、約束もしてないのに、突然すみません…」
顔を赤らめて俯く真希を見て、要は胸が熱くなった。
良かった…
元気そうだ…
そんなことを思っていると、隼人が公園行こう!と行って要の手を引っ張った。