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近くて遠い
第38章 大事なもの
真希に出会って、そこに悠月の影を追っていたのはほんの一瞬のことだ……
あの真希の纏う
温かさと
強さに惹かれて…
なのに、
素直になれなかったのは、
悠月を裏切っているような気がしたから……?
そんなことは言い訳だ。
この手紙を読まなくとも悠月が自分の幸せを望んでいることなんか、分かることだった…
にも関わらず、 "この真希への気持ちは悠月への裏切りだ" とそう言い聞かせていたのは紛れもなく自分自身…
本当は───
人を愛すことが怖くて…
ただ
逃げていただけ…