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近くて遠い
第40章 温かな場所
─────────…
太陽が姿を隠し終わると、月がその光を引き継いで顔を出した。
酒田は、呼んでいた警察に渡辺を明け渡し、壁に寄りかかって天を仰ぐ要に近付いた。
倉庫の中に目をやると泣きながら、互いに強く抱き締め合う真希と光瑠がいる。
「いいんですか、関根さん…」
酒田は真希たちを見続けたまま、要に話し掛けた。
「………何がだ」
要はぼんやりとしながら、酒田の言葉に質問を返す。
「……だって…関根さんも、真希さんのこと…」
かつて電話した時に、これからは俺が真希さんを守ると要が言った事を酒田は思い出していた。
「だからこそだろ…」
そう呟いた要に酒田は顔を向けた。
「……愛する人には心から笑ってほしい。例えそれが出来るのが自分じゃなくても…」
要はチラと倉庫の中に視線をやった。
真希と光瑠が幸せそうに見つめ合って微笑んでいた。
きゅっと胸が締め付けられる…
でも──…彼女が幸せならそれでいい…
要は優しく微笑むと、再び壁に寄りかかった。
「かっこよすぎますよ…今、僕、関根さんに惚れそうになりました。」
太陽が姿を隠し終わると、月がその光を引き継いで顔を出した。
酒田は、呼んでいた警察に渡辺を明け渡し、壁に寄りかかって天を仰ぐ要に近付いた。
倉庫の中に目をやると泣きながら、互いに強く抱き締め合う真希と光瑠がいる。
「いいんですか、関根さん…」
酒田は真希たちを見続けたまま、要に話し掛けた。
「………何がだ」
要はぼんやりとしながら、酒田の言葉に質問を返す。
「……だって…関根さんも、真希さんのこと…」
かつて電話した時に、これからは俺が真希さんを守ると要が言った事を酒田は思い出していた。
「だからこそだろ…」
そう呟いた要に酒田は顔を向けた。
「……愛する人には心から笑ってほしい。例えそれが出来るのが自分じゃなくても…」
要はチラと倉庫の中に視線をやった。
真希と光瑠が幸せそうに見つめ合って微笑んでいた。
きゅっと胸が締め付けられる…
でも──…彼女が幸せならそれでいい…
要は優しく微笑むと、再び壁に寄りかかった。
「かっこよすぎますよ…今、僕、関根さんに惚れそうになりました。」