この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
近くて遠い
第41章 けじめ
「僕は真希に…いや、真希さんに…出会ってから、何度も何度も彼女を傷付けました…。
自分の思い通りにしたくて、でも思い通りならない気丈な彼女に対して権力を振りかざし、弱味に漬け込んで…。
今までどれだけ苦しめたか分かりませんっ……」
膝に置かれた光瑠さんの手がギュッと強く握られていた。
苦しそうで、でも真剣なその横顔…
そんなことを思ってくれていたなんて、私は驚いたまま光瑠さんの言葉を聞いていた。
「過去に縛り付けられて…いや、自分自身を縛り付け、素直になれないまま真希さんを振り回して…。
今日はそんな僕のせいでっ……彼女の命まで危険にさらした…っ」
私もお父さんも黙って光瑠さんの言葉を聞いていると、光瑠さんは椅子からスクッと立ち上がって、床に膝をつけた。
「有川さんっ⁉︎」
驚いたお父さんまで椅子から立ち上がる。
光瑠さんは震えている唇をギュッと噛みしめて、お父さんを強い眼差しで見つめた。
「申し訳ありませんでしたっ…」
頭を下げた光瑠さんにビックリしたお父さんと私は慌てて光瑠さんに駆け寄った。
「光瑠さんっ…!やめてくださいっ…!」
声を掛けても光瑠さんは頭を下げたまま動かない。
「有川さんっ…!!顔を───」
「謝っても謝りきれません。本当に僕はっ…」
私は身体が震えた。
あの光瑠さんが、私のために渡辺にもお父さんにも躊躇うことなく頭を下げている。
その事が嬉しくて…
でも、早く彼をそんな罪悪感から救ってあげたかった。
自分の思い通りにしたくて、でも思い通りならない気丈な彼女に対して権力を振りかざし、弱味に漬け込んで…。
今までどれだけ苦しめたか分かりませんっ……」
膝に置かれた光瑠さんの手がギュッと強く握られていた。
苦しそうで、でも真剣なその横顔…
そんなことを思ってくれていたなんて、私は驚いたまま光瑠さんの言葉を聞いていた。
「過去に縛り付けられて…いや、自分自身を縛り付け、素直になれないまま真希さんを振り回して…。
今日はそんな僕のせいでっ……彼女の命まで危険にさらした…っ」
私もお父さんも黙って光瑠さんの言葉を聞いていると、光瑠さんは椅子からスクッと立ち上がって、床に膝をつけた。
「有川さんっ⁉︎」
驚いたお父さんまで椅子から立ち上がる。
光瑠さんは震えている唇をギュッと噛みしめて、お父さんを強い眼差しで見つめた。
「申し訳ありませんでしたっ…」
頭を下げた光瑠さんにビックリしたお父さんと私は慌てて光瑠さんに駆け寄った。
「光瑠さんっ…!やめてくださいっ…!」
声を掛けても光瑠さんは頭を下げたまま動かない。
「有川さんっ…!!顔を───」
「謝っても謝りきれません。本当に僕はっ…」
私は身体が震えた。
あの光瑠さんが、私のために渡辺にもお父さんにも躊躇うことなく頭を下げている。
その事が嬉しくて…
でも、早く彼をそんな罪悪感から救ってあげたかった。