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近くて遠い
第41章 けじめ
「お父さんっ…」
涙声で真希が呟いたのを光瑠は横で聞いていた。
真希の父が言う通り、出会った時から自分の力で力強く立っていた真希は誰よりも立派に生きていて、まだ17なんだということを、光瑠は全く意識していなかった。
きっと、まだまだやりたいことや勉強したいことがあっても、『家族のため』と言って、自分の気持ちを押し殺して来たのだろう…
「……分かりました…」
光瑠はゆっくりと答えた。
「……ありがとう。」
光瑠の言葉を聞いて、真希の父は再び浮かべた涙を拭いながら、光瑠に感謝の言葉を述べた。
真希は光瑠の手を握りながら、嬉しそうな、でも寂しそうな瞳で光瑠を見つめた。
この眼差しに光瑠の心が揺れる。
あぁ…
でも…
「……わがままかもしれませんが…一緒に住むことは…許してもらえませんか…」
「え?」
光瑠の言葉に真希の父が驚いたように小さく声を発した。
本当にわがままだという自覚が光瑠にはあった。
だけど、真希と一緒にいたい…もう離れるのは嫌だった。
「光瑠さん……」
「……いやか…?」
光瑠は少し不安になりながら、真希に尋ねた。
真希はキュッと口を引き結んで困った顔をしながら、父の様子を見た。
「私は…」
「真希、いいよ。心配しなくて。」
真希の心を読んだように父が言った。そして真希の父は光瑠を見た。
「迷惑じゃないですか?」
「まさか…。僕がいてほしいんです…」
そんな甘い言葉を真希に掛ける光瑠をみて、真希の父はゆるいため息をついた。
「確かに、高校生活も春から再開させたとしてあと1年…。引っ越し先の高校に行くより、前通っていた高校に通う方が真希も気が楽だよな…」
真希の父の言葉に光瑠は目を輝かせた。
「それに、真希もあなたといたいようだし…断る理由はありません…ね…。
真希を……よろしくお願いします…」
涙声で真希が呟いたのを光瑠は横で聞いていた。
真希の父が言う通り、出会った時から自分の力で力強く立っていた真希は誰よりも立派に生きていて、まだ17なんだということを、光瑠は全く意識していなかった。
きっと、まだまだやりたいことや勉強したいことがあっても、『家族のため』と言って、自分の気持ちを押し殺して来たのだろう…
「……分かりました…」
光瑠はゆっくりと答えた。
「……ありがとう。」
光瑠の言葉を聞いて、真希の父は再び浮かべた涙を拭いながら、光瑠に感謝の言葉を述べた。
真希は光瑠の手を握りながら、嬉しそうな、でも寂しそうな瞳で光瑠を見つめた。
この眼差しに光瑠の心が揺れる。
あぁ…
でも…
「……わがままかもしれませんが…一緒に住むことは…許してもらえませんか…」
「え?」
光瑠の言葉に真希の父が驚いたように小さく声を発した。
本当にわがままだという自覚が光瑠にはあった。
だけど、真希と一緒にいたい…もう離れるのは嫌だった。
「光瑠さん……」
「……いやか…?」
光瑠は少し不安になりながら、真希に尋ねた。
真希はキュッと口を引き結んで困った顔をしながら、父の様子を見た。
「私は…」
「真希、いいよ。心配しなくて。」
真希の心を読んだように父が言った。そして真希の父は光瑠を見た。
「迷惑じゃないですか?」
「まさか…。僕がいてほしいんです…」
そんな甘い言葉を真希に掛ける光瑠をみて、真希の父はゆるいため息をついた。
「確かに、高校生活も春から再開させたとしてあと1年…。引っ越し先の高校に行くより、前通っていた高校に通う方が真希も気が楽だよな…」
真希の父の言葉に光瑠は目を輝かせた。
「それに、真希もあなたといたいようだし…断る理由はありません…ね…。
真希を……よろしくお願いします…」