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近くて遠い
第43章 上司と部下
───────…
光瑠が真希を抱えて部屋を出ていくと、要は振っていた手を下ろした。
「……やっぱり、諦めてないんですね。」
先が思いやられるな、と酒田は困惑しながら要をみると、要はふんっと鼻で笑った。
「身を引いたからって、そんなすぐに気持ちがなくなる訳じゃない…」
はぁ…と苦笑しながら酒田が息を洩らす。
「それに、何かあったら逃げれる場所があった方が、真希さんも安心するだろ。」
ニカッと笑った要を酒田は目を細めて見返した。
「油断のならない人だなぁ…紳士なように見えて、実はそうやって虎視眈々と獲物を狙ってる…」
酒田の言葉にハハハ、と要が笑った。
ソファーにドカッと要が腰を下ろすと、酒田はその向かいに座った。
真希と光瑠、
二人が乗り越えたものは大きい──
だから、口ではそうふざけたよう言うが、本当は自分がつけ入る隙がないだろうことを要は十分分かっている。
ただ…
──────────今度苦しませたら、僕は容赦なくあなたから彼女を奪います
光瑠に向けたあの言葉は本気だ──
それに…
「ライバルがいた方が、社長も真希さんを大事にするだろ…」
髪をかきあげた要を、酒田は目を丸くして見ていた。
光瑠が真希を抱えて部屋を出ていくと、要は振っていた手を下ろした。
「……やっぱり、諦めてないんですね。」
先が思いやられるな、と酒田は困惑しながら要をみると、要はふんっと鼻で笑った。
「身を引いたからって、そんなすぐに気持ちがなくなる訳じゃない…」
はぁ…と苦笑しながら酒田が息を洩らす。
「それに、何かあったら逃げれる場所があった方が、真希さんも安心するだろ。」
ニカッと笑った要を酒田は目を細めて見返した。
「油断のならない人だなぁ…紳士なように見えて、実はそうやって虎視眈々と獲物を狙ってる…」
酒田の言葉にハハハ、と要が笑った。
ソファーにドカッと要が腰を下ろすと、酒田はその向かいに座った。
真希と光瑠、
二人が乗り越えたものは大きい──
だから、口ではそうふざけたよう言うが、本当は自分がつけ入る隙がないだろうことを要は十分分かっている。
ただ…
──────────今度苦しませたら、僕は容赦なくあなたから彼女を奪います
光瑠に向けたあの言葉は本気だ──
それに…
「ライバルがいた方が、社長も真希さんを大事にするだろ…」
髪をかきあげた要を、酒田は目を丸くして見ていた。