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近くて遠い
第44章 根源
────────…
「何がそんなにおかしい。」
ようやく女たちが散ると、光瑠は隣で笑う幸ママに尋ねた。
「だって、有川様ったら、あまりにもハラハラしながら、桜子と夕夏をみているから…」
幸ママの言葉を聞いて、光瑠は照れたようにして頭を掻いた。
以前自分のせいで、真希が夕夏から嫌がらせを受けたことを知っていた光瑠は、確かに、また夕夏が真希に何かするのでは、とドキドキしながら遠目で見守っていた。
だが、夕夏と話し終わって笑顔を見せる真希を見て、光瑠もホッと胸を撫で下ろした。
光瑠はカウンターの前を見て、真希に氷をぶちまかれた日の事を思い出していた。
懐かしい……
ここで、真希と出会った──
「今日は、どうしていらっしゃったんですか?」
声を掛けてきた幸ママの方を光瑠は見た。
「どうしても行きたいと…、ここが自分の根源だからとあいつが言うからな…」
確かに、真希と光瑠の原点はここだ。
「まぁ…」
光瑠の言葉に幸ママが驚いた。
その反応に不思議に思って光瑠は幸ママを見た。
「桜子って、イタリア語出来るんですか?」
「イタリア語?いや、多分出来ないと思うが……何故だ?」
光瑠の問いに幸ママが微笑む。
「この店の名前radice(ラディーチェ)はイタリア語で、
"根源"
という意味ですから。」
幸ママの言葉を聞いて光瑠は目を見開いた。
すごい偶然だ…
出会ったのも、何もかも───
「拓也さんっ!!!」
急に真希が叫ぶ声が聞こえて、光瑠は真希の方を見た。
「ん?おぉっ!桜子!!!久しぶりだなぁ…!」
見覚えのあるボーイと真希が楽しそうに話している。
光瑠は面白くなさそうに片眉を上げて二人を見つめた。
「ったく……!!」
いてもたってもいられなくなって真希の方に歩き出した光瑠を幸ママは再び笑いながら、見ていた。
「何がそんなにおかしい。」
ようやく女たちが散ると、光瑠は隣で笑う幸ママに尋ねた。
「だって、有川様ったら、あまりにもハラハラしながら、桜子と夕夏をみているから…」
幸ママの言葉を聞いて、光瑠は照れたようにして頭を掻いた。
以前自分のせいで、真希が夕夏から嫌がらせを受けたことを知っていた光瑠は、確かに、また夕夏が真希に何かするのでは、とドキドキしながら遠目で見守っていた。
だが、夕夏と話し終わって笑顔を見せる真希を見て、光瑠もホッと胸を撫で下ろした。
光瑠はカウンターの前を見て、真希に氷をぶちまかれた日の事を思い出していた。
懐かしい……
ここで、真希と出会った──
「今日は、どうしていらっしゃったんですか?」
声を掛けてきた幸ママの方を光瑠は見た。
「どうしても行きたいと…、ここが自分の根源だからとあいつが言うからな…」
確かに、真希と光瑠の原点はここだ。
「まぁ…」
光瑠の言葉に幸ママが驚いた。
その反応に不思議に思って光瑠は幸ママを見た。
「桜子って、イタリア語出来るんですか?」
「イタリア語?いや、多分出来ないと思うが……何故だ?」
光瑠の問いに幸ママが微笑む。
「この店の名前radice(ラディーチェ)はイタリア語で、
"根源"
という意味ですから。」
幸ママの言葉を聞いて光瑠は目を見開いた。
すごい偶然だ…
出会ったのも、何もかも───
「拓也さんっ!!!」
急に真希が叫ぶ声が聞こえて、光瑠は真希の方を見た。
「ん?おぉっ!桜子!!!久しぶりだなぁ…!」
見覚えのあるボーイと真希が楽しそうに話している。
光瑠は面白くなさそうに片眉を上げて二人を見つめた。
「ったく……!!」
いてもたってもいられなくなって真希の方に歩き出した光瑠を幸ママは再び笑いながら、見ていた。