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近くて遠い
第6章 No.1の逆襲
「あらぁあ?この地味な傘は誰のかしらぁ??」



わざとらしい夕夏さんの声が控え室に響く。



はっ…!!

まさかっ!



クルッと勢いよく振り替えると、グレーの傘をニヤニヤしながら高く掲げる夕夏がいた。



「それは私のっ…!」




取り替えそうとすると、ひょいっと傘を隣の女の人へ投げる夕夏さん。




「きっと誰かの忘れ物ねぇ?」



クスクスといやらしい笑いが広がる。



「いやだ、夕夏さん、こんな地味な傘誰も持ちませんよぉ」



「…っ返してください!」



また私の腕をすり抜けて、ひょいっと隣に傘が渡る。



「待って、響子ぉ。その傘たしか下品な泥棒猫みたいな女がいつも大切そうに持ってなかった?」


「っ……」



ひどい…


あの傘は…


絶望に打ちひしがれた私に、カナメさんが差し出してくれた

希望の光なのに……



「返して!それは私のっ!私のなのっ!」




怒りと悲しみにまみれながら飛び交う傘を追いかける私は、彼女らの中では道化でしかなかった。



「こんな傘、取っておいても仕方ないわ。廃棄してしまいましょう?」


笑いにまみれるなかで、再び傘が夕夏さんの手に渡る。



「やめてっ…お願い…それは私の……」




バキッ…




私の叫びと

傘の折れる音が


虚しく部屋に響き渡った。


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