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近くて遠い
第7章 接客
ドアを開けばいつも通り、麗人が長い足を組んで不機嫌そうに座っている。




「遅い。」



「……すみません。」




私は泣いていたことがバレないよう、なるべく顔を上げずに有川様の隣にそっと座った。



「いつもの、でよろしいですか。」



「あぁ。」



変わらない会話。


変わらないお酒。



まるでロボットのように繰り返し繰り返し……




誰もしゃべらずただ無駄に広い部屋が強調される。




「どうぞ。」



私がグラスを差し出すと、有川様はしばらく固まってからそれを受け取った。



……?


どうしたんだろう…。



そう思った矢先、有川様はお酒に口もつけずにグラスをテーブルに置いた。



えっ?

私なんか、まずいことしたかな?

入れ方間違えた…?



戸惑う私の腕を有川様はぐっと掴んで私をさらに引き付けた。



「あっあの…」





「これはどうした。」



え?



有川様の熱い眼差しが私の左肩に注がれた。




これは…血…?

一体いつ私は怪我を…?




「切り傷だな。何か鋭いものに引っ掛けたのか?」



「鋭いものって…あっ…」



もしかして…




私は瞬時に先程の悪夢を思い出した。



夕夏さんが骨がむき出しになった傘を投げたとき、確か肩に当たって…



「心当たりがありそうだな。」



そう言って私の目をじっと見つめる有川様。



「だ、大丈夫です。ちょっとかすっただけ…」



「なぜ泣いた。」



私の言葉を遮って発せられた有川様の低い声が身体に響く。
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