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不良の彼は 甘くて強引
第8章 S彼とお出掛け



「紗織…」



──紗織と呼ばれたその女

無地のシャツをタイトスカートにインし、豊満な胸としまったウエストが強調されたそのシルエット

まさに大人の女。



「…あら、覚えていてくれたのね」


高いヒールを美しく履きこなしカツカツと音をたてながら匠に近付く。



「……」

「いつ気が付くか待ってたけど…やっぱりこんなわかりやすい尾行だと、すぐばれるのね」

「……っ」

「どうしたの?予想外の訪問者に動揺してるのかしら」

「…本当に、紗織か?」

「……そうよ」



狭い路地で黙って向き合う美男と美女。


まだ昼間だというのに
建物の影で薄暗い路地


少し肌寒い風が、その路地を吹き抜けていた。



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