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不良の彼は 甘くて強引
第8章 S彼とお出掛け
柚子が去った後、匠はショッピングモールを出て人通り少ない道へと歩いた。
彼の住むアパートはここから十分歩いて帰れる距離にある。
だがおかしい…
匠はアパートへ向かう道から徐々に外れ、狭い路地に入って行った。
“つけられている…”
柚子と洋服屋を出たころからだ、さっきから一定の距離でついてくる足音を感じる。
用があるなら何故声をかけてこない?
そもそもこんな昼間から…
俺に喧嘩でも仕掛ける気かよ。
“身に覚えがありすぎるな”
誰かに恨みをかった記憶は余るほどある。
「……ちっ」
面倒くさい
まだついて来ている──
匠は足を止め、ゆっくり後ろを振り返った。
「…誰だ」
正直、こんな人通りの少ない所でつけるというのは気付かれるのを待っているようなものだ。
曲がり角から現れた
その人影
「…女か」
女に恨まれることなど尚更だ。数えきれないほど覚えがある。
「俺に、用なのか?」
近付いてくる女に問いかける。
自分より年上の、柚子とは違い背も高め
その女は…
「…お前……!!」
まさか──