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不良の彼は 甘くて強引
第9章 再会:出会い
──後日
「はい柚子、これがノートのコピーよ」
数枚のコピー用紙を手渡される。
「ありがとう!助かるっ」
こういう時こそ日頃の行いが意味を為すと言うもの。普段から周りを気遣ってきた柚子に、友人たちは何も言わずとも手をさしのべる。
“有り難い…これで昨日の講義の分は全部受け取れたわ”
彼女はそんな友人たちに感謝した。
「どう?ノートは間に合ってるかしら」
「あ、美佳ちゃん」
「なんだー全部貰ってるじゃない。せっかく柚子に見せるためと思ってキレイに講義の内容メモったのに」
「そうなの?じゃあ、それも見せてちょうだい」
率直に、嬉しい
柚子は美佳からルーズリーフを受け取った。
カフェテリアに腰を下ろし、講義のメモを見ながら疑問点を美佳に聞いていく。
「で、昨日は具合が悪かったの?」
「ん…実は、違うの」
そうだと言っておけばいいのに
少し申し訳なさげに柚子は白状する。
「へぇ?真面目な柚子ちゃんも、たまにはサボりたくなる事もあるようですな」
茶化す美佳
「もうっ ふざけないでよっ」
こうして友人と話していると、二日前、そして昨日と我が身に降りかかった出来事がまるで嘘だったかのようにさえ思えてしまう。
「ねぇ、三上先輩って知ってる?」
唐突な質問を美佳に投げ掛けた。
「三上先輩って、この学部のでしょう?そりゃあ、勿論」
「どんな人?」
「わたしに聞くより、奈々とかに聞いた方がいいんじゃないかなあ~」
「教えて教えて」
「…、…──。、、…───」
ふむふむふむ
なるほど。