この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第11章 ベンチ


法学部の校舎の前にはちょっとした芝生の広場があって

そこの隅にあるベンチに座って勉強するのが、わたしのマイブーム。

木の陰になって人目も少ないから安心して集中できる。



鞄から参考書を取り出す柚子。

取り出した拍子に、一枚のルーズリーフが膝の上にはらり落ちてきた。


「…あ」

あの時
匠さんが解いた問題だ。

ずっと挟まってたのね…。


柚子は懐かしげにその難解な数式で埋め尽くされたルーズリーフを見ていた。



結局、匠の解放は奇抜すぎて役には立たなかった。

答えこそあっていたが……。



“でもこれを30分で解いちゃうあたりやっぱり医学部よね”


文系の問題だと記述があったので、匠はきちんと数Ⅲの範囲を使わずに解いていた。


「そうは言っても、ここでベクトル使おうなんて思うかな?普通…」


ま、普通の人じゃないか。


大きめな独り言。



「──…ハァ」


柚子の目はルーズリーフから離れ、目の前をちょこまか横断する蟻に向けられていた。



「……」


あの時


バイトに行かせて下さいって頼んだら

匠さん怒っちゃったみたい。

何故かはわからないけど…。


なんかムスッとして

わたしを離して

不機嫌そうに、「帰れ」って



でも不思議と、その時の匠さんは全く怖くなかったのよね。


不機嫌だったけど。



/694ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ