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不良の彼は 甘くて強引
第11章 ベンチ
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その頃…
匠を残して立ち去った翔。
彼はキャンパスを出て駅の方へと向かっていた。
「・・・・・」
その道中に、美しい女がこちらを向いて道を塞ぐように立っていた。
「…俺に用ですか」
妖しげな笑みを浮かべるその女性に翔は微笑みかける。
「矢崎柚子という女の子を知ってるわよね」
「知っていますよ、俺の後輩です」
優しげな雰囲気の中にも全く隙を感じさせない態度
女は、そんな翔に感心してしまった。
「…なら、市ノ瀬という男は?」
「知っています。──そろそろ、本当の要件を伺いたいのですが」
翔の声が、僅かに低くなる。
女は翔に近付いていった。
「彼のことで、貴方には知っておいて欲しいことがあるの」
不敵な笑み。
翔は眉をひそめる。
「──・…、…….…。」
「……!!!」